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 「エリアマネジメント・インタビュー」の第5回は、千葉大学助教、鈴木 雅之先生です。団地再生におけるエリアマネジメントの具体的な事例として、ちば地域再生リサーチの取り組みについてお話を伺いました。
 
     
     
 

● 先生は団地再生・エリアマネジメントにどのように関わってきたのですか。

 

 私は千葉大学に10年前に赴任しました。今の仕事は大学のキャンパス計画や大学施設のファシリティマネジメントなどです。2002年頃から、大学のキャンパスが地域においてどのような貢献ができるのか検討をしています。その中では地域住民が大学のキャンパスをどのように考えているかアンケートを行いました。これらにより、地域に密着して検討することや、地元の力、地域の課題を吸い上げまとめる組織が必要なのではないかと考えるようになりました。
 ちば地域再生リサーチの活動地域である千葉海浜ニュータウンは、大学の研究活動として係わったことが、接点を持ったきっかけです。当時、住宅地を研究する研究室にいて、海浜ニュータウンや団地も研究の対象でしたので、住民にいろいろなアンケート調査をしていました。また、2003年7月には、海浜ニュータウンの夏祭りを盛り上げようと学生と参加した際に、思っていたこととは逆に団地全体が非常に盛り上がっていました。そこには、子供や孫が大勢、団地に帰ってきており、アンケート調査からはわからない多くの発見があり、まだまだ地域のことを知らないのではないかと思うようになりました。

 
   

● NPO法人 ちば地域再生リサーチの活動内容はどのようなものですか。

 
 
 
 服部岑生先生(理事長)や教員仲間と一緒にNPO法人として「ちば地域再生リサーチ」を設立し、2003年8月に本格的な活動を始めました。私はその中で事務局長をしています。事務局長というのは、スタッフが地域の中で活動しやすいように考えたり、いわゆる事務作業をする役割です。
 そして、始動期にちょうど活動助成金を得ることができました。最初の活動は、海浜ニュータウン内の高洲団地にあった25u程度の空き店舗を活用し、「街の道具箱」として様々な活動の拠点となる情報ステーションを開設し、大学生が順番に常駐して地域住民の声を聞くことでした。2004年の1月から3月の50日間に、延べ150人の来訪者がありました。来訪者のうち3人の方から一緒に地域活動をしたい(リフォームの仕事をしていて退職した人、高齢者の安否確認をしたい主婦、共同宅配をやりたい人など)という申し出があったことが、活動が広がるきっかけとなりました。この時感じたことは、地域に人が常駐していることで、様々な情報が入り、新たな活動に結びつけられるということです。団地に住む高齢者が世間話をしにくることもあり、情報が入るようになりました。地域に根ざした活動をするためには、どのように地域に対してアンテナを張るかが重要ではないでしょうか。
 2004年度には、国の補助事業に採択されました。このとき、地域の人と私たちは、「住まいのサポート・暮らしのサポート」として住宅リフォーム、買い物支援、暮らしのサポートの3つを組み合わせることで、新たな地域サポートになるのではないかと考えました。住宅リフォームは、地元の住民でリフォーム業をリタイアされた方がおり、団地の住民を対象にDIY講座を開きました。幼稚園で豆まきなどのイベントを行ったり、小学校の総合学習の時間にワークショップを開催したりしました。これらの活動を行っていく中でも、私たちはビジネスのプロではありませんので、できるところから始めました。
ちば地域再生リサーチの活動エリアである千葉市の
海浜ニュータウン 高洲・高浜地区

 
   

 初めは住まいのサポートと暮らしのサポート、それぞれに人を雇っていましたが、仕事の量がそれほど多いわけではありませんので、効率が良くないことがわかりました。そこで、2006年に活動助成を受けて、新たに「レディース隊」という、住まいと暮らしのサポートを両方やるチームを立ち上げました。一日数件ある買い物支援の待ち時間に、活動拠点でできる襖紙、障子、いすの座面などの貼替えなどをデュアルワークとしてするようにしました。また、リフォーム内容によっては団地に出張して行うこともあります。出張リフォームの依頼は年間100件程度あり、内容により専属のスタッフが行う場合と業者に発注する場合があります。また、ハイブリッドリフォームという商品があり、それは住宅リフォームは業者とDIYを使い分け、業者にしかできないことは発注し、その他はDIYで行うようにすることで比較的安く仕上げるリフォームを目指しています。

 
   
 
 
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国土交通省 土地・水資源局土地政策課
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