単独で整備すれば50万円かかることも、共同で整備することにより、一軒当たり35万で済みます。小規模の戸建て管理組合が増えていますが、みんなで共同発注してメリットを享受しているのですね。5戸や10戸でもメリットはあります。
高松のメンバーズタウン福田(15区画)、同 太田公園(9区画)、 同 松本(4区画)は、定期借地権付きの住宅地です。平凡な区画割りとなってしまいがちな規模ですが、路地状敷地の路地部分を積極的にコモン化するなど、見事な「共」空間を実現し、個性的な住宅地となっています。小さな住宅地でも、共同利用空間は大きな役割を果たすのです。
また、定期借地だからといって安い住宅を供給するのではなく、定期借地だからこそできる住宅地づくりに知恵を絞って欲しいですね。定期借地の場合には、道路の移管には慎重になってほしいです。例えば、50年後に敷地が地主に戻ってきたときに、道路を移管し、バラバラの土地になっていると利用の自由度が低下してしまいます。その実践のカギを、先ほどの3事例は教えてくれています。例えば、魅力あるデザイン、それを支える所有と管理方法、適正なマネジメントシステムの設定は、住宅地の価値を上げ、不動産の価値を上げる重要なポイントです。
まさに、空間のデザインも重要ですが、マネジメントの仕組みづくりは大変重要なのです。都市やまちを考えてきた私たちは、「公法(建築基準法など)」は積極的に勉強しますし、得意ですね。しかし、「私法(民法など)」を使いこなすことに慣れていません。定期借地というのは地主と住宅所有者(居住者)との契約、エリアマネジメントの管理組合も居住者同士の契約関係ですから、契約のベースになる民法を使いこなすことが、これから必要になってきます。
例えば、マンション管理規約を作れる人は、まだあまりいませんし、経験がないとできないですよね。空間を作ることに加えて、空間をよりサスティナブルに良くしていくためにはマネジメント能力が問われます。その部分の人材が必要なのです。
新規住宅地の場合は、管理組合を組織するとしても、その初期設定は開発業者が行うことが効率的です。管理する仕組みを含めて住宅を売るのです。新規開発ですと、住民が自主的にエリアマネジメントを立ち上げるのは難しいですね。お互いにまだ知りあっていないのですから。空間そのものと空間を管理する仕組みをセットする。適切な初期設定を、手間をかけ、行うことが最も重要なポイントとなります。立ち上げ段階からマネジメントを動かしていくのが重要なのです。また、まちが発展するなかで、プロセスの途中の微調整をしていくときにアドバイスできる人材も必要です。知識を持っているだけでなく、人をまとめていく力、適正な知識とリーダーシップ力を育てていきたいものです。 |