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 「エリアマネジメント・インタビュー」の第2回は、住環境マネジメントに関する研究の第一人者 明海大学教授、齊藤 広子先生です。戸建て住宅地におけるエリアマネジメントの注目事例や、これからの可能性などについてお話を伺いました。
 
     
     
 

● 戸建て住宅地におけるエリアマネジメントの注目事例や、頑張っている地域の動向などを教えてください。

 

● パークプレイス大分公園通り
 大きな新規開発の住宅地では、大分市の「パークプレイス大分公園通り」が注目事例です。ニューヨークのセントラルパークのように、公園が生活の中心にあるまちです。ロケーションという価値 を自ら創ったまちです。写真を見ていただいたらわかりますが、大変魅力的です。アメリカのデザイン会社EDAWによるランドスケープデザインが優れています。
 当初は1600区画を分譲する予定でしたが、あえて1300戸に計画戸数を変え、余った面積でコモンスペースをつくったのです。4haにおよぶ広大なグリーンベルトを、1300戸の管理組合法人が所有し、みんなで管理しています。スケールメリットがあるので、管理費は戸当たり月額2100円と低く抑えられています。クリーンスタッフの働きが居住者の目に触れるようにしています。それは、人々に、自分たちの支払った管理費の行方が目に見えるようにするためです。管理組合は、公園を所有し、管理しているのです。喫茶店を作って運営するなど、コミュニティビジネスを発展させることもやっています。不動産業界でも大変注目されている事例です。

 
 
 

『パークプレイス大分公園通り』の中央公園

〔大分県大分市〕

 

 
     
  ● コモアしおつ
 1991年から分譲が始まった山梨県の「コモアしおつ」は、開発総面積80万u、計画戸数1,412戸の大型タウンです。JR中央線「四方津」駅を結ぶ、全天候型全長200mの斜行エスカレーターと2基の斜行エレベーターがまちの特徴です。大きなまちですが、周囲を山に囲まれた美しい住環境が創られています。
 山の上に開発された住宅地ですので、駅につながるエスカレーターとエレベーターは、住民にとって大切な足です。管理組合を作ってみんなで維持管理しています。斜行エレベーターがあることに対して、住民はみんな満足しています。しかし、問題が全くないわけではありません。日常的な管理をきちんと行い、長期にわたる計画維持の準備もされています。しかし、万が一の災害には不安が残ります。住民のそのような不安を解消すること、支援することも行政の役割だと思います。魅力的な街にするために、地域がどのような共用施設を持ち、管理するのか。行政はそこにどう支援すべきかを考えるうえで参考になる事例だと思います。
 
     
 

● グリーンタウン高尾
 私が一番勉強になった事例は、八王子市の「グリーンタウン高尾」です。総戸数154戸で、1985年に入居が始まりましたが、管理組合のある戸建て住宅地の先駆的事例です。区画内道路のすべて、公園、テニスコート、緑地、遊歩道などが共有地として造られました。戸当たり平均敷地面積とほぼ同じ程度の共有地面積(一戸当たり)をとっています。私有地と道路で構成される一般住宅地ではなく、大きなコモンスペースの中に住宅が配置してあるような、公共空間を感じさせないコンセプトで造られています。
 道路や、公園などあらゆるものを移管せずに持っていた典型的な事例です。住宅地内の緑が豊かであることは高く評価されていますが、様々なデザインの工夫がなされた道路空間は、住民からの評価は厳しかったのです。それは、道路を居住者が管理するので、埋設管も含め、いったいいくら修繕費用を用意すればよいのか、修繕積立金を準備すればよいのかわからず、居住者の不安が大きく、不満になっていました。この点は、居住者の努力、管理組合の努力により現在は 改善されています。
 このような先駆的な事例を踏まえて、昨今はディベロッパーも成長していますし、住み手も成長しています。課題はありますが、自分たちの街を魅力的にする、自分たちの街の問題を予防・解消する、戸建て住宅地の管理組合は、今後さらに普及するのではないでしょうか。

 
     
   
 
 
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国土交通省 土地・水資源局土地政策課
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