平成21年地価公示に基づく地価動向について(圏域別)


平成21年3月24日
国土交通省土地・水資源局

I 全国

 ・ 平成20年1月以降の1年間の地価変動率は、全国平均で住宅地△3.2%、商業地△4.7%となり、ともに平成18年以来3年ぶりに上昇から下落に転じ、全ての用途で下落となった。

II 三大都市圏

 ・ 三大都市圏平均で見ると、住宅地は△3.5%と平成18年以来3年ぶりの下落、商業地は△5.4%と平成17年以来4年ぶりの下落となった。
 ・ 前回は一部のブランド力の高い地域や高級住宅地、高度に商業機能が集積した地区において高い上昇が見られ、これらに押上げられて平均で上昇となったが、今回は、顕著な下落となった。
 ・ 半期ごとの地価動向を見ると、ほぼ全ての地点で昨年の後半、上昇から下落に転じ又は下落幅が拡大した。


1 東京圏
(1)住宅地

 ・ 東京圏では、平均で△4.4%と前回5.5%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点で下落となった。
 ・ 東京都では、平成17年以来4年ぶりに、埼玉県、千葉県及び神奈川県は、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 東京都区部では、平均で△8.3%と前回10.4%の上昇から下落となり、中でも区部南西部では、平均で△10.1%と前回10.6%の上昇から一転して二桁の下落となった。
 ・ 東京都港区では、平成12年以来9年ぶりに平均で下落となり、渋谷区では、平成13年以来8年ぶりに平均で下落となった。渋谷区及び港区では、優良住宅地としてマンション需要、収益性期待の不動産投資等を背景にこれまで高い上昇を示した地点が多かったが、景気の悪化、マンション販売の不振、投資・融資等の資金調達環境の悪化等により需要が減退したことにより、全ての地点で下落となった。特に、面積が大きく総額が高額となる地点では、比較的大きな下落が見られる傾向にあった。
 ・ 都下郊外部では、駅周辺地域を中心に、武蔵野市及び三鷹市で比較的大きな下落となった。
 ・ 千葉県浦安市及び川崎市中原区では、周辺市区と比較して大きな下落となったが、いずれも前回、前々回と旺盛なマンション需要や住宅開発需要等を背景に高い上昇を示した地域であった。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や相対的に宅地需要が低迷している地域で下落幅が拡大した。

(2)商業地

 ・ 東京圏では、平均で△6.1%と前回12.2%の高い上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点において下落となった。
 ・ 東京都では、平成17年以来4年ぶりに、埼玉県、千葉県及び神奈川県では、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 東京都区部では、平均で△8.1%と前回17.3%の高い上昇から下落に転じた。また、平均で大きな下落となった港区では、前回は収益性期待の不動産投資、オフィス・店舗併用マンションの需要等に支えられ、20%超の高い上昇を示した地点が多かったが、今回は景気の悪化、投資・融資等の資金調達環境の悪化、オフィス需要の減退等によりほぼ全ての地点で二桁の下落となった。
 ・ 一方で、東京都区部でも都心部の地価水準の高い高度商業地は、比較的下落幅が小さく堅調さを示した。
 ・ 都下の郊外部では、三鷹市、武蔵野市等で駅周辺地域を中心に、比較的大きな下落となった。
 ・ さいたま市大宮区、千葉県市川市、浦安市、横浜市青葉区、川崎市川崎区、幸区、中原区、高津区等では、駅周辺の再開発事業済地域周辺等繁華性、収益性が高まった地域や、沿線駅の背後人口の比較的多い地域でも景気の悪化等から下落に転じた。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいる地域で下落幅が拡大した。

2 大阪圏
(1)住宅地

 ・ 大阪圏では、平均で△2.0%と前回2.7%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点において下落となった。
 ・ 大阪府、兵庫県及び京都府では、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 大阪市中心部では、景気の悪化、投資・融資等の資金調達環境の悪化等による需要の減退、不動産市場の停滞感等を背景に下落傾向となり、大阪市中心6区では△3.0%と下落に転じた。また、大阪府内でも利便性に劣る地域では、特に需要の減退から下落傾向が強く、北部の豊能地域で比較的大きな下落となった。一方、南部の泉南地域は比較的小さな下落となった。
 ・ 兵庫県では、神戸市で平均で下落に転じ、東灘区で△3.1%と下落が最も大きくなったが、中でも面積が大きく総額が高額となる地点で下落が比較的大きくなった。一方、阪神地域では住環境に優れた芦屋市及び西宮市で比較的小さな下落にとどまった。
 ・ 京都府では、京都市中心5区で△3.2%と下落に転じた。郊外の利便性の劣る住宅地は大きな下落となる傾向にあり、特に南丹市では平均で下落幅が拡大した。
 ・ 奈良県では、平成19年以来2年ぶりに平均で下落となった。近鉄奈良線沿いの奈良市、生駒市等の通勤等の利便性や住環境に優れた住宅地では、潜在的な需要はあるものの景気の悪化等を背景とする買い控え等により、下落に転じた。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や相対的に宅地需要が低迷している地域で下落幅が拡大した。

(2)商業地
 ・ 大阪圏では、平均で△3.3%と前回7.2%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点において下落となった。
 ・ 大阪府及び京都府では、平成17年以来4年ぶりに、兵庫県では、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 大阪市中心6区では、平均で△6.3%と下落に転じた。前回は駅周辺再開発の進展等による繁華性・収益性の向上により高い上昇を示した地点が一部に見られたが、不動産ファンド等による投資等の減少や、オフィス賃料の下落、空室率の上昇等の不動産市況の先行きに対しての不安から、平均で周辺区と比較して大きな下落となった。
 ・ 兵庫県では、神戸市で平均で下落に転じた。特に、中央区では前回二桁の上昇となった商業地を中心に消費低迷等を背景に下落に転じた。また垂水区、西区では下落幅が拡大した。
 ・ 京都市では、景気の悪化、これまでの地価上昇に伴う取引の減少等から不動産市場が停滞し、平均で下落に転じ、特に京都中心5区においては△4.4%の下落となった。 
 ・ 奈良県では、平成19年以来2年ぶりに平均で下落となった。奈良市では、昨年の前半は、観光需要を背景に市内中心部で繁華性の回復が見られたが、後半は景気の悪化により賃料の低下等から全地点で下落し平均でも下落となった。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいる地域で下落幅が拡大した。

3 名古屋圏
(1)住宅地

 ・ 名古屋圏では、平均で△2.8%と前回2.8%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点で下落した。
 ・ 愛知県では、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 名古屋市では、平均で前回の上昇から下落に転じ、平成17年以来4年ぶりの下落となった。市内中心部の優良住宅地である千種区、昭和区では分譲マンション、戸建て住宅の販売不振等から二桁の下落となった。
 ・ 愛知県では、自動車産業の大幅減産等地域経済の急速な悪化を受け、西三河地区の豊田市、刈谷市等は下落に転じた。また、尾張地域の一宮市、瀬戸市等では下落幅が拡大した。
 ・ 三重県では、四日市市、桑名市等で下落幅が拡大した。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や相対的に宅地需要が低迷している地域は下落幅が拡大した。

(2)商業地
 ・ 名古屋圏では、平均で△5.9%と前回8.4%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点が下落となった。
 ・ 愛知県では、平成17年以来4年ぶりに平均で下落となった。
 ・ 名古屋市では、前回名古屋駅周辺や繁華性、収益性等が高まっている地区等市内中心部の一部の地点で高い上昇を示していたが、不動産ファンド等による投資案件の減少や地域経済の急速な悪化等を背景とする需要の減退、オフィス賃料の下落、空室率の上昇等により不動産市況が悪化したことから、今回平均で下落に転じ、また大きな下落を示した地点が多く見られた。
 ・ 愛知県では、自動車産業の大幅減産等地域経済の急速な悪化により、西三河地域の豊田市、刈谷市等では下落に転じた。また、尾張地域の一宮市、瀬戸市等では下落幅が拡大した。
 ・ 三重県では、四日市市及び桑名市で平均で下落に転じた。
 ・ 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいる地域で下落幅が拡大した。

III 地方圏

1 住宅地
 ・ 地方圏全体では、平均で△2.8%と前回△1.8%に引き続き下落となった。前回まで4年連続して下落幅が縮小していたが、今回下落幅が拡大した。
 ・ 地方ブロックの中心都市のうち、札幌市では平成17年以来4年ぶり、仙台市では平成19年以来2年ぶり、福岡市では平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。また、広島市では平成4年から連続しての下落となった。
 ・ その他の地方中心都市では、新潟市中央区で堅調なマンション、戸建て需要を背景に上昇地点が見られた。
 ・ その他の地方都市では、まちづくりの取り組み、観光需要が引き続き見られたことを背景として北海道伊達市で4年連続、倶知安町で2年連続して平均で上昇した。
 ・ 兵庫県姫路市では新駅開業、広島市安芸区では駅周辺整備による利便性の向上により、それぞれ上昇地点が見られた。
 ・ これらの都市以外では、景気の悪化に加え、地域経済の低迷や人口減少の影響等により、郊外部を中心に需給が緩んでいること等を背景として、依然として下落が継続している。

2 商業地
 ・ 地方圏全体では、平均で△4.2%と前回の△1.4%に引き続き下落となった。前回まで4年連続して下落幅は縮小していたが、今回下落幅が拡大した。
 ・ 地方ブロック中心都市では、札幌市で平成17年以来4年ぶりに、仙台市、広島市及び福岡市で平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。特に、仙台市及び福岡市では、前回、不動産投資やオフィス需要を背景に一部に高い上昇を示す地点が見られたが、景気の悪化、投資・融資等の資金調達環境悪化等により今回下落に転じた。
 ・ その他の地方中心都市では、静岡市葵区、津市、松山市及び鹿児島市で、土地区画整理事業、中心市街地活性化、交通基盤整備等を背景に上昇地点が見られた。
 ・ その他の地方都市では、鳥取県境港市等で横ばい地点が見られた。
 ・ これらの都市以外では、景気の悪化に加え、地域経済の低迷、利便性や収益性の比較劣後、人口減少や少子高齢化等を背景として、依然として下落が継続している。

IV 工業地

 ・ 工業地では、平均で△3.0%と前回0.5%の上昇から下落に転じた。
 ・ 前回は、景気回復による企業収益の改善等を背景として、工場地、流通業務用地等への需要が活発化し、平成3年以来17年ぶりに全国平均で上昇となったが、今回再び下落に転じた。
 ・ 三大都市圏においては、平均で△2.5%と前回4.1%の上昇から平成19年以来2年ぶりの下落となった。前回まで、千葉県市川市等の臨海部において物流施設に対する需要を背景として高い上昇を示す地点が見られたが、今回は、投資環境の変化、自動車産業など製造業の生産調整と設備投資抑制の影響等からほぼ全ての地点が下落となった。
 ・ 地方圏では、需要の低迷から工場用地の売れ残り、販売価格の値下げ等により引き続き下落傾向となった。唯一、北海道旭川市郊外の製造業・物流向けの工業団地内で上昇地点が見られた。

IV その他

 ・ 宅地見込地、準工業地及び市街化調整区域内宅地では、ほぼ全ての地点で下落した。

(連絡先) 国土交通省土地・水資源局地価公示室
主任分析官 大里
分析官 長野
鑑定官 伊藤、酒部、大谷
(内線30-363〜8)
(代)03-5253-8111 (直03-5253-8379)


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