平成19年地価公示に基づく地価動向について(圏域別)


平成19年3月23日
国土交通省土地・水資源局

I. 全国

 ・ 平成18年1月以降の1年間の地価変動率は、全国平均で住宅地0.1%、商業地2.3%となり、平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった(地価変動率の中央値は、住宅地△0.8%、商業地△0.6%であり、過半数の地点は下落であった。)。

II. 三大都市圏

 ・ 三大都市圏では、平均で住宅地2.8%、商業地8.9%上昇し、住宅地は平成3年以来16年ぶりの上昇、商業地は2年連続して上昇となった(地価変動率の中央値は、住宅地1.9%、商業地6.5%であった。)。
 ・ 景気回復が続く中、マンション・オフィス需要の増大や不動産投資の拡大を背景として、各圏域の中心都市を中心に上昇傾向が現れ、特に、ブランド力の高い地域や高級住宅地、高度に商業業務機能が集積した地区においては、局所的に30%、40%を超える地点が現れたが、それらの圏域内全地点数に占める割合は、住宅地にあっては0.2%程度、商業地にあっては3%程度であり、極めて限定された地域である。
 ・ 都心部に近接した地域及び都心部への接近性・交通利便性や収益性の高い地域においては、上昇地点が見られたが、それ以外の相対的に利便性・収益性が劣る地域では、下落となった。


1. 東京圏
(1)住宅地


 ・ 東京圏では、平均で3.6%上昇し、平成3年以来16年ぶりに上昇となった(地価変動率の中央値は2.3%であった。)。
 ・ 東京都区部は、都心回帰の動きや旺盛なマンション需要、不動産投資の拡大等を背景として上昇傾向が見られた。特に、港区、渋谷区では、局所的に30%、40%を超える高い上昇率を示す地点が見られたが、これはブランド力や利便性が特に高い高級住宅地であるとともに、商業地域背後の用途の多様性を備えた希少性によるものである。なお、このような地点は、圏域内全地点数の0.5%程度と極めて限定的なものである。
 ・ 東京都区部都心部の地価水準を過去の地価水準と比較すると、おおむね昭和59年頃の水準である。
 ・ また、足立区、守谷市で30%を超える上昇地点が見られたが、これはつくばエクスプレスの開業等の鉄道新線の影響によるものである。
 ・ 都下郊外部においては、都心と結ぶ鉄道沿線の駅周辺地域を中心に、三鷹市、武蔵野市、立川市等において、また、川崎市、横浜市、千葉市、さいたま市等においても、平均で上昇となったが、これは駅周辺の利便性を背景とした住環境の優れた地域でのマンション需要の増大等により上昇地点が増加したためである。
 ・ 圏域縁辺部においては、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは、通勤・通学の利便性の劣る地域や相対的に宅地需要の低迷が続いている地域である。

(2)商業地


 ・ 東京圏では、平均で9.4%上昇し、2年連続して上昇となった(地価変動率の中央値は8.0%であった。)。
 ・ 渋谷区、港区等の高度商業地においては、局所的に30%、40%を超える高い上昇地点が見られたが、これは景気回復が続く中、企業のオフィス需要の増大や不動産投資の拡大等を背景として、利便性・収益性が向上したためである。なお、このような地点は、圏域内全地点数の2%程度と限定的なものである。
 ・ 東京都区部都心部の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和55年頃の水準である。
 ・ 都下の郊外部では、立川市、調布市、武蔵野市等が平均で上昇となったが、これは都心と結ぶ鉄道沿線の拠点都市を中心に繁華性、収益性等が向上したためである。
 ・ 横浜市、川崎市及び川口市が平均で上昇となったが、これは駅周辺の再開発事業等で繁華性、収益性等が向上したからである。
 ・ 都心に近い浦安市及び市川市、千葉市では2年連続して平均で上昇となり、さいたま市等でも平均で上昇となったが、これはマンション需要やマンション建設による集客力期待等を背景としたものである。また、地域の商圏の中心となるその他の中核都市及び都心とこれらを結ぶ地域では、平均で上昇となった。
 ・ 守谷市で20%を超える地点が見られ、2年連続して平均で上昇となったほか、つくばみらい市が平均で上昇となったが、これらは、つくばエクスプレス開業の影響である。
 ・ 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは郊外型大規模商業施設の進出等の影響により既存商業地の集客力の減退等が進んでいるためである。

2. 大阪圏
(1)住宅地


 ・ 大阪圏では、平均で1.8%上昇し、平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった(地価変動率の中央値は1.7%であった。)。
 ・ 都心回帰の動きの中、大阪市、京都市及び神戸市といった圏域の中心都市では平均で上昇となったほか、伝統的な高級住宅地等においては10%を超える上昇率を示す地点も見られたが、これは圏域内全地点数の1%程度と限定的なものである。
 ・ 阪神地域では芦屋市、西宮市等が、郊外部では高槻市、茨木市、堺市等が平均で上昇となったが、これは大阪都心への接近性・生活利便性や住環境に優れた地域で上昇地点が増加したためである。
 ・ 京都市近隣では向日市、長岡京市等が平均で上昇となったが、これは利便性や住環境に優れた地域に需要が顕在化してきたためである。
 ・ 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは都心部から遠く利便性が劣る住宅地への需要減退によるものである。

(2)商業地

 ・ 大阪圏では、平均で8.3%上昇し、2年連続して上昇となった(地価変動率の中央値は5.0%であった。)。
 ・ 大阪市では、北区、中央区、西区等で上昇傾向を強め、平均で上昇となったほか、大阪駅周辺や御堂筋沿いの地域では局所的に   30%、40%を超える上昇率を示す地点も見られたが、これは、オフィス需要の大きい駅周辺の再開発等の進展等により繁華性、収益性等が向上したためである。なお、このような地点は、圏域内全地点数の2%程度と限定的なものである。
 ・ 大阪市中心6区の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和 49年以前の水準である。
 ・ 京都府では、京都への観光誘客が好調であること等を背景として、京都市の中京区、下京区等で2年連続して平均で上昇となったが、これは繁華性が高い地域や優良なオフィス街周辺で上昇傾向を強めたからである。このほか、京都市近接の向日市、長岡京市等で平均で上昇となったが、これは駅前等の整備による利便性等の向上のためである。
 ・ 兵庫県では、神戸市が平均で上昇となったが、これは景気回復に伴うオフィス需要の増大を背景として、神戸市の市内中心部の高度商業地域で上昇地点が増加したためであり、このほか、阪神地域等で平均で上昇となったが、これは大阪市への接近性・交通利便性に優れた都市で上昇地点が増加したためである。
 ・ 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは郊外型大規模商業施設の進出等の影響により既存商業地の集客力の減退等が進んでいるためである。

3.名古屋圏
(1)住宅地


 ・ 名古屋圏では、平均で1.7%上昇し、平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった(地価変動率の中央値は0.9%であった。)。
 ・ 名古屋市では、上昇地点が増加し、2年連続して平均で上昇となったが、これは景気回復が続く中、利便性や住環境の優れた地域で需要が顕在化してきたためであり、このほか西三河地域と同地域と名古屋市の中間に位置する尾張東部地区においても上昇地点が増加し、平均で上昇となった市町が増加したが、これは好調な地域経済を背景とした堅調な住宅需要によるものである。
 ・ 名古屋市では10%を超える上昇率を示す地点も見られたが、これは伝統的な高級住宅地や利便性・住環境に優れた優良住宅地に限定されている。
 ・ 圏域縁辺部では、依然として下落が続いているが、これは名古屋市までの交通利便性が劣る地域や相対的に宅地需要が低迷している地域である。

(2)商業地

 ・ 名古屋圏では、平均で7.8%上昇し、2年連続して上昇となった(地価変動率の中央値は2.4%であった。)。
 ・ 名古屋市では、名古屋駅周辺や栄地区周辺で30%、40%を超える上昇率を示す地点が見られたが、これは超高層ビルの建設が進み、事務所等の集積が高まった地域や繁華性、収益性等が高まっている地域に限定されている。
 ・ 名古屋市の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和49年以前の水準である。
 ・ 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは郊外型大規模商業施設の進出等の影響により既存商業地の集客力の減退等が進んでいるためである。

III. 地方圏

(1)住宅地

 ・ 地方圏全体では、平均で△4.2%が△2.7%となり、3年連続して下落幅が縮小した。
 ・ 地方ブロックの中心都市のうち、札幌市は2年連続、福岡市は平成4年以来15年ぶりに平均で上昇となった。また、仙台市若林区及び広島市中区においては、平均で上昇となった。特に、札幌市及び福岡市では、20%を超える上昇率を示す地点も見られた。
 ・ その他の地方中心都市でも、市街地整備や交通基盤整備等のまちづくりの取組みにより、岡山市等は平均で上昇となったほか、金沢市や松山市で上昇地点が現れた。
 ・ その他の地方都市では、長野県軽井沢町で高級別荘地としての需要の高まり等により上昇となったほか、沖縄県恩納村等で観光振興による上昇地点が見られた。
 ・ これらの地域以外では、人口減少の影響等により、郊外部を中心に需給が緩んでいること等を背景として、依然として下落している。

(2)商業地

 ・ 地方圏全体では、平均で△5.5%が△2.8%となり、3年連続して下落幅は縮小した。
 ・ 地方ブロックの中心都市では、札幌市は2年連続、仙台市及び広島市は平成3年以来16年ぶり、福岡市は平成4年以来15年ぶりに平均で上昇となった。特に、札幌市、仙台市及び福岡市の一部では30%超える上昇率を示す地点も見られたが、これは繁華性、収益性等が向上したためである。
 ・ その他の地方中心都市でも、中心市街地活性化や交通基盤整備等を背景として、静岡市、浜松市、岡山市及び松山市が平均で上昇となった。また水戸市、長野市、金沢市で市街地開発事業や駅前区画整理事業等により、上昇地点が現れた。
 ・ その他の地方都市では、新幹線開業期待によるホテル需要等を背景として、函館市で上昇地点、高岡市で横ばい地点が現れた。また、東広島市で駅前区画整理事業等により上昇地点が現れたほか、太宰府市等で観光振興により上昇地点が現れた。
 ・ これらの地域以外では、中核的大規模施設の撤退、郊外型大規模商業施設の進出等の影響により、依然として下落している。

(連絡先) 国土交通省土地・水資源局地価調査課
(企画専門官) 大澤
(企画係長) 黒瀬
(電話)03-5253-8377 (FAX)03-5253-1578


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