平成15年地価公示に基づく平成14年の地価動向について


平成15年3月25日
国土交通省土地・水資源局

I.概況

平成14年1月以降の1年間の全国の地価は、住宅地は下落幅が拡大したが、商業地は下落幅が縮小した。
三大都市圏においては、住宅地の下落幅は横ばい、商業地は東京圏、大阪圏、名古屋圏ともに下落幅が縮小した。
利便性・収益性の差や個別の地点のおかれた状況による地価の個別化がより進行している。


1.三大都市圏

(1)住宅地の下落幅は横ばい、商業地の下落幅は縮小した。
(2)住宅地の圏域ごとの動向を見ると、
1)東京圏については、
 ・大半の地域で下落幅が縮小した。
 ・東京都区部では4年連続して下落幅が縮小し、特に区部都心部ではほぼ横ばいに近づいており、区部南西部でもほぼ横ばいに近づく傾向にある。
 ・その中で、渋谷区及び港区では全地点が上昇又は横ばいとなっており、区全体として、渋谷区は前回の横ばいから15年ぶりに上昇に転じ、港区は2年連続の上昇に引き続き横ばいとなった。
 ・また、千代田区では上昇に転じた地点が、文京区では横ばいに転じた地点が現れた。大田区では、上昇又は横ばいの地点が大きく増加した。
 ・さらに、多摩地域、埼玉県・千葉県の東京近接地域でも横ばいに転じた地点が多く現れた。
2)大阪圏については、
 ・半数以上の地域で下落幅が拡大したものの、大阪市、神戸市で下落幅が縮小した。
 ・特に、大阪市のうち中心6区では、3年連続して下落幅が縮小し、天王寺区で横ばいに転じた地点が現れた。
3)名古屋圏については、
 ・大半の地域で下落幅が拡大したものの、西三河地域では下落幅が縮小し、豊田市等で横ばいとなった地点が現れた。
(3)商業地の圏域ごとの動向を見ると、
1)東京圏については、
 ・ほぼすべての地域で下落幅が縮小した。
 ・東京都区部では4年連続して下落幅が縮小し、かつ、ほぼすべての区で下落幅が縮小した。
 ・区部都心部では引き続き上昇又は横ばいの地点が多く見られ、1割近い上昇率となる地点も現れた。また、渋谷区では横ばい傾向が定着してきている。
 ・区部南西部でも、大田区及び品川区に上昇又は横ばいの地点が見られた。
 ・さらに、立川市、武蔵野市等で横ばいの地点が見られた。
2)大阪圏については、
 ・半数以上の地域で下落幅が縮小した。
 ・大阪市のうち中心6区では、3年連続して下落幅が縮小し、1割未満の下落となった。また、高度商業地の一部では横ばいに転じた地点が現れた。
3)名古屋圏については、
 ・半数の地域で下落幅が縮小した。
 ・名古屋市では、高度商業地等の一部の地点が引き続き上昇又は横ばいとなった。


2.地方圏

(1)全体としては住宅地、商業地ともに下落幅が拡大した。
(2)人口10万人以上の地方都市では、商業地で1割以上の下落となったところが引き続き多く見られた。



II.特徴

1.三大都市圏

(1)住宅地については、
1)東京都区部で下落幅がさらに縮小した背景には、需要側の値頃感や再開発等による利便性の向上から、マンション等の住宅需要の都心回帰の動きが続いたことが挙げられる。特に、区部南西部等では、上昇又は横ばいの地点の周辺の利便性がある住宅地でほぼ横ばいとなった地点が増加した。
2)大阪市中心6区で下落幅がさらに縮小した背景には、需要側の値頃感等により、マンション等の住宅需要の都心回帰の動きが続いたことが挙げられる。
3)郊外部の通勤遠隔地等では、最寄り駅からの交通利便性が劣る地点を中心として依然として大きな下落が見られる。
(2)商業地については、
1)三大都市圏で下落幅が縮小した背景には、平成14年の上半期を中心に経済動向に一部持直しの動きが見られたことに加え、都心の高度商業地等において都市再生の取組等により集客力が高められたことが挙げられる。
2)東京圏については、
 ・東京都区部都心部で、高度商業地や、海外ブランド店舗等の立地が進んだ地区、再開発や交通基盤整備が行われた地区において、引き続き上昇又は横ばいの地点が見られた。その中でも、街の個性や魅力が特に高められている地区では、高い上昇率を示す地点も見られた。
 ・都区部以外でも、交通結節点に位置する駅周辺における都市再生等の効果により集客力が高まった地区において、横ばいに転じた地点引き続き横ばいの地点が見られた。
3)大阪圏・名古屋圏については、
 ・大阪市の高度商業地で、再開発や海外ブランド店舗等の立地により集客力が高まった地区において、横ばいに転じた地点引き続きわずかな下落であった地点が見られた。
 ・名古屋市の高度商業地等でも、都市再生の取組や海外ブランド店舗等の立地により集客力が高まった地区において、引き続き上昇又は横ばいの地点が見られた。
4)近接する地点であっても、道路幅員等の立地条件に差がある場合に、それぞれの地点において異なる変動状況が見られる。


2.地方圏

(1)ブロック中心都市の商業地では、高度商業地や駅周辺において展開される再開発の効果で、横ばいに転じた地点引き続きわずかな下落となった地点が見られる。
(2)また、住宅地についても、利便性の高い都心部で、需要側の値頃感等からマンション等の住宅需要がある地区では、上昇又は横ばいの地点が見られる。一方で、利便性に劣るところでは大きな下落が見られる。
(3)人口10万人以上の地方都市の中心商業地では、地域経済が低迷する中で、郊外型量販店の進出等もあり、従来集客力の中核を担っていた大規模商業施設の撤退や商店街を構成する中小小売店舗の閉鎖の影響で、大きく下落している地点が多い。


1.東京圏の概況

 東京圏の地価は、
  • 住宅地は、大半の地域で下落幅が縮小した。
  • 商業地は、ほぼすべての地域で下落幅が縮小した。
(1) 東京都

 住宅地は、区部都心部及び区部南西部ではわずかな下落、区部北東部及び多摩地域では年間1割未満の下落となった。
 商業地は、区部南西部ではわずかな下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。


(2) 神奈川県

 住宅地、商業地ともに、年間1割未満の下落となった。


(3) 埼玉県及び千葉県

 住宅地、商業地ともに、千葉県その他地域では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。


2.大阪圏の概況

 大阪圏の地価は、
  • 住宅地は、半数以上の地域で下落幅が拡大した。
  • 商業地は、半数以上の地域で下落幅が縮小した。
(1) 大阪府

 住宅地は、南大阪では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。
 商業地は、大阪市では年間1割未満の下落、それ以外の地域では年間1割以上の下落となった。


(2) 兵庫県、京都府及び奈良県

 住宅地は、阪神地域では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。
 商業地は、京都市及び京都府その他地域では年間1割未満の下落、それ以外の地域では年間1割以上の下落となった。


3.名古屋圏の概況

 名古屋圏の地価は、
  • 住宅地は、大半の地域で下落幅が拡大した。
  • 商業地は、半数の地域で下落幅が縮小した。
○ 愛知県及び三重県

 住宅地は、西三河地域及び三重県ではわずかな下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。
 商業地は、名古屋近接地域では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。


4.地方圏の概況

 ブロック中心都市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、
  • 住宅地は、すべての都市で下落幅が拡大した。
  • 商業地は、仙台市及び福岡市では下落幅が縮小したが、札幌市及び広島市では下落幅が拡大した。

 三大都市圏の周辺都市では、
  • 住宅地は、大半の都市で下落幅が拡大し、岐阜市等では1割未満の下落、甲府市等では1割以上の下落となった。
  • 商業地は、半数以上の都市で下落幅が拡大し、宇都宮市等では1割以上の下落、和歌山市等では1割未満の下落となった。

 その他の地方中心都市では、
  • 住宅地は、ほぼすべての都市で下落幅が拡大し、鳥取市等では1割未満の下落、秋田市等ではわずかな下落、鹿児島市等では横ばい、福井市等では1割以上の下落となった。
  • 商業地は、半数以上の都市で下落幅が拡大し、いわき市等では1割以上の下落、静岡市等では1割未満の下落となった。

問い合わせ先:国土交通省土地・水資源局地価調査課(課長補佐)横山、(企画係長)小玉
         (電話)03-5253-8377   (FAX) 03-5253-1578 

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