平成13年地価公示に基づく平成12年の地価動向の特徴について


平成13年3月23日
国土交通省土地・水資源局
I.概況

 平成12年の全国の地価の状況を概観すると、住宅地・商業地ともに、全体としては下落しているが、大都市圏においては、前回公示と比べ、下落幅が縮小した地域の増加が見られ、また、利便性・収益性の差による地価の二極化がより進行し、都心部を中心に、上昇や横ばいの地点が増加した。

  1. 大都市圏
    (1) 住宅地・商業地ともに下落幅は縮小し、特に、商業地は2年連続して下落幅が縮小した。
    (2) 地域ごとの動向を見ると、
    1) 住宅地は、東京圏及び名古屋圏では、大半の地域で下落幅は縮小したが、大阪圏では、ほぼすべての地域で下落幅が拡大した。
    東京都区部都心部の地価はほぼ横ばいに近づきつつあり、港区、新宿区、渋谷区では、10年ぶりに上昇に転じた地点が現れた。名古屋市の中心部でも、上昇に転じた地点が現れた。
    大阪市では、中心6区では下落幅の縮小が見られたが、全体としては下落幅が拡大した。
    2) 商業地は、大半の地域で下落幅が縮小した。
    東京都区部都心部の新宿区、港区等の一部の高度商業地や交通利便性が向上した地区では、前回公示と比べ、上昇に転じた地点や横ばいの地点が増加した。名古屋市でも、一部の高度商業地において、10年ぶりに上昇に転じた地点が現れた。
    大阪市中心6区では、下落幅の縮小が見られたが引き続き大きな下落となった。
  2. 地方圏
    (1) 住宅地は、わずかな下落であるが下落幅がやや拡大し、商業地は、前回公示と同じ下落幅であった。
    (2) 人口10万人以上の地方都市の商業地では、1割以上の下落となったところが引き続き多く見られた。

II.特徴
  1. 大都市圏
    (1) 住宅地については、
    1) 都心部において下落幅が縮小した背景には、交通・生活の利便性や職住近接を重視する都心回帰の動きが見られる中で、近年の地価下落により需要側に値頃感が生じたことや住宅ローン減税の実施等により、マンションを中心に居住用不動産への需要が引き続き堅調であったことが挙げられる。こうした中で、前回公示と比べ、地価が上昇や横ばいとなった地点も増加した。
    2) 郊外部の通勤遠隔地では、相対的割高感により需給の緩和が続き、利便性に劣る地域を中心に、引き続き大きな下落が見られた。
    3) 圏域ごとの景気動向による所得や雇用環境の相違などが、需給バランスに影響を与えている。
    (2) 商業地については、
    1) 企業収益の改善や設備投資の増加など、企業部門を中心とする景気の緩やかな改善を背景に、オフィスや店舗への需要が顕在化し、都心部を中心に下落幅が縮小した。
    2) 特に、東京都区部都心部等におけるオフィスが集積する地区や集客力に優れた商業地では、IT関連企業や外資系企業等によるオフィス・店舗への根強い需要を背景に、前回公示と比べ、地価が上昇や横ばいとなった地点が増加した。
    3) 地域によっては、地域経済の回復の遅れや消費の低迷によるオフィス・店舗の需給の緩和が、地価動向に反映している。
    4) 都心部でも、道路幅員等の立地条件が劣る地点では、下落が続いている。
  2. 地方圏
     地方圏の地価は、地域ごとの経済動向等を反映した動きとなっているが、特に、人口10万人以上の地方都市の中心商業地では、消費の低迷に加え、大規模商業施設の撤退や郊外型量販店の進出も相まって、大きな下落が続いているところが多い。

1.東京圏の概況

東京圏の地価は、

  • 住宅地は、大半の地域で下落幅が縮小し、特に東京都、神奈川県及び埼玉県ではすべての地域で下落幅が縮小した。

  • 商業地は、茨城県では下落幅が拡大したが、それ以外の地域では下落幅が縮小した。

(1) 東京都

 住宅地は、区部都心部及び区部南西部ではわずかな下落、区部北東部及び多摩地域では年間1割未満の下落となった。
  商業地は、年間1割未満の下落となった。

(2) 神奈川県

住宅地、商業地ともに年間1割未満の下落となった。

(3) 埼玉県及び千葉県

  住宅地は、千葉県その他地域では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。
  商業地は、埼玉県東京近接地域及び埼玉県その他地域では年間1割未満の下落、千葉県東京近接地域及び千葉県その他地域では年間1割以上の下落となった。


2.大阪圏の概況

大阪圏の地価は、

  • 住宅地は、奈良県では下落幅が縮小したが、それ以外の地域では下落幅が拡大した。

  • 商業地は、半数以上の地域で下落幅が縮小したが、兵庫県ではすべての地域で下落幅が拡大した。

(1) 大阪府

 住宅地は、年間1割未満の下落となった。
 商業地は、年間1割以上の下落となった。

(2) 兵庫県、京都府及び奈良県

 住宅地は、年間1割未満の下落となった。
 商業地は、神戸市及び阪神地域では年間1割以上の下落、それ以外の地域では年間1割未満の下落となった。


3.名古屋圏の概況

 名古屋圏の地価は、

  • 住宅地は、半数以上の地域で下落幅が縮小した。

  • 商業地は、西三河地域で下落幅が拡大したが、それ以外の地域では下落幅が縮小した。

 住宅地は、名古屋近接地域では年間1割未満の下落、尾張地域では横ばい、それ以外の地域ではわずかな下落となった。
 商業地は、年間1割未満の下落となった。


4.地方圏の概況

  • ブロック中心都市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、
    住宅地は、札幌市では下落幅が縮小し、その他の都市では下落幅が拡大した。
    商業地は、札幌市及び福岡市では下落幅が縮小し、仙台市及び広島市では下落幅が拡大した。

  • 三大圏の周辺都市では、
    住宅地は、大半の都市で下落幅が拡大し、岐阜市等では1割未満の下落、姫路市等ではわずかな下落となった。
    商業地は、半数以上の都市で下落幅が拡大し、宇都宮市等では1割以上の下落、つくば市等では1割未満の下落となった。

  • その他の地方中心都市では、
    住宅地は、半数以上の都市で下落幅が拡大し、岡山市等では1割未満の下落、佐賀市等ではわずかな下落、盛岡市等では横ばいとなった。
    商業地は、半数以上の都市で下落幅が拡大し、徳島市等では1割未満の下落、 金沢市等では1割以上の下落となった。

問い合わせ先:国土交通省土地・水資源局地価調査課(課長補佐)黒田、(企画係長)小玉
         (電話)03-5253-8377   (FAX) 03-5253-1578 

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