平成21年都道府県地価調査に基づく地価動向について(圏域別)

平成21年9月18日
国土交通省土地・水資源局地価調査課

T 全国

  • 平成20年7月以降の1年間の地価動向は、厳しい景気を反映し平均で住宅地が△4.0%、商業地が△5.9%となるなど、前回に引き続き全用途で下落となった。

U 三大都市圏

  • 平均で住宅地が△5.6%、商業地が△8.2%となり、平成17年以来4年ぶりに上昇から下落に転じた。
  • 各都市圏の全域でほぼ全地点が下落となった。各圏域の都心部では、景気の悪化、投資・融資環境の変化、オフィス空室率の上昇、賃料の下落等不動産市況の悪化を背景に需給の調整が行われ、ブランド力のある地域、高級住宅地域、高度に商業・業務機能が集積した地域を含め、上昇から下落に転じる地点が増加した。
  • 各都市圏の縁辺部で相対的に利便性、収益性が低い地域は、引き続き下落となった。

1 東京圏

(1) 住宅地
  • 平均で△6.5%と前回の1.6%上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点で下落となった。
  • 東京都は平成17年以来4年ぶりに、埼玉県、千葉県及び神奈川県は、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
  • 東京都区部は、平均で△10.6%と平成16年以来5年ぶりに下落となり、なかでもここ数年高い上昇を示してきた区部都心部及び区部南西部は、景気の悪化等により不動産需要の減退が顕著となったことから、2桁の下落となった。
  • 区部都心部の地価公示との共通地点の半期毎の地価動向を見ると、下落基調が後半鈍化した地点が比較的多く見られた。
  • 多摩地域は平均で下落を示し、調布市、国分寺市等では、2桁の下落となった。なお、稲城市では、区画整理事業の進展により横ばい地点が見られた。
  • 埼玉県は、平均で△5.4%と下落に転じた。不動産需要の減退が顕著となったことから県南地域の下落が大きく、県北、県西部は引き続き下落傾向となった。
  • 千葉県は、平均で△4.5%と下落に転じた。東京都区部都心への接近性から住宅需要等を背景に従来高い上昇を示した市川市、浦安市等は、2年連続で下落となった。
  • 神奈川県は、平均で△5.4%と下落に転じた。東京都区部都心への接近性を持つ横浜市北部地域及び川崎市では、住環境が良好な地域の総額の大きい住宅地を中心に需要が減退し下落となった。
  • 政令指定都市のさいたま市、千葉市、横浜市及び川崎市は、平成17年以来4年ぶりに平均で下落となった。
  • 圏域縁辺部では、相対的に交通利便性の低い地域や人口減少により宅地需要が低迷している地域で下落幅が拡大した。
(2) 商業地
  • 平均で△8.9%と前回の4.0%上昇から下落に転じ、全ての地点で下落となった。
  • 東京都は平成16年以来5年ぶりに、千葉県及び神奈川県は平成17年以来4年ぶりに、埼玉県は平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。
  • 東京都区部は、平均で△12.0%と前回の5.0%上昇から下落に転じた。ここ数年上昇が顕著であった港区において、全地点が2桁の下落となったが、なかでも業務高度商業地域で30%近い下落の地点が見られた。また、中央区ではブランド力の高い地域においても海外高級店の計画の撤回等が見られ、20%程度下落した地点が見られた。
  • 地価公示との共通地点の半年毎の地価動向を見ると、区部都心部の高度商業地の一部で後半に下落幅が拡大した地点が見られたが、後半鈍化した地点が過半を占めた。
  • 埼玉県は、平均で△6.7%と下落に転じた。さいたま市、所沢市では、オフィス需要の減退や駅前マンション開発の凍結の影響もあり2桁の下落となった。
  • 千葉県は、平均で△5.2%と下落に転じた。東京都区部都心への接近性の良い浦安市等では投資・融資環境の変化、空室率の上昇、賃料の下落を背景に下落となった。
  • 神奈川県は、平均で△6.6%と下落に転じた。横浜市及び川崎市の中心部及び新横浜駅周辺は、オフィスビルの空室率の上昇など収益環境の低下から下落となった。
  • 政令指定都市のさいたま市、千葉市、横浜市及び川崎市は、平成17年以来4年ぶりに平均で下落となった。
  • 圏域縁辺部では、交通利便性の低い地域や商店街等の集客力が相対的に減退している地域で下落幅が拡大した。

2 大阪圏

(1) 住宅地
  • 平均で△4.5%と前回の1.0%上昇から下落に転じ、全ての地点で下落となった。
  • 大阪市及び京都市は、平成17年以来4年ぶり、神戸市は、平成16年以来5年ぶりにいずれも平均で5%を超える下落となった。
  • 大阪府では、大阪市中心6区が平均で△6.2%と下落に転じた。また、北部の豊能町や、中小製造業従事者が多く景気悪化の影響を強く受けた寝屋川市、守口市及び門真市が、比較的大きな下落となった。
  • 兵庫県では、神戸市東部4区が平均で△6.7%と下落に転じた。阪神地域では、前回に平均で5%前後の上昇を示した芦屋市、西宮市等も△5%前後の下落に転じた。
  • 京都府では、京都市中心5区が平均で△5.9%と下落に転じた。京都市の近隣で通勤の利便性や住環境に優れた向日市、長岡京市は、下落に転じたものの比較的小さな下落となった。南丹市及び亀岡市は、下落幅が拡大した。
  • 奈良県は、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。近鉄奈良線沿いの奈良市、生駒市等の通勤等の利便性や住環境に優れた住宅地も、景気悪化等を背景とする戸建住宅の販売不振により下落に転じた。
  • 圏域縁辺部では、景気悪化に加え人口減少等の影響もあり、下落幅が拡大した。
(2) 商業地
  • 平均で△7.1%と前回の2.8%上昇から下落に転じ、全ての地点で下落となった。
  • 大阪市中心6区は、オフィス賃料の下落、空室率の上昇、マンション販売の不振等により、平均で△13.3%と周辺区に比較して平均で大きな下落となった。特に、従来高い上昇を示した北区、中央区の御堂筋を中心とする高度商業地では、不動産ファンド等による投資等の減少、オフィス大量供給による不動産市況の先行不安から、競争力の比較的に低い地域を中心に大きな下落となった。
  • 大阪市都心部の地価公示との共通地点で半年毎の地価動向を見ると、下落基調が後半鈍化した地点が比較的多く見られた。
  • 神戸市東部4区は、平均で△10.2%と下落に転じた。特に、中央区は、高度商業地を中心に店舗、オフィス需要の減退、消費の低迷等を背景に大きな下落となった。
  • 京都市中心5区は、平均で△6.3%と下落に転じた。中京区、下京区の代表的な高度商業地では、景気の悪化に伴い地域的な競争力の格差が顕在化し、河原町通の物販店の減少や空き店舗が見られる地域と四条通のブランド店の出店が見られる地域とでは、下落幅に大きな開差が見られた。
  • 奈良県は、平成18年以来3年ぶりに平均で下落となった。奈良市は、景気の悪化による不動産需要の減退により下落に転じたが、従前より不動産ファンド等の投資も少なく、大阪圏の奈良市以外の中心都市に比較して下落幅は小さくなっている。
  • 圏域縁辺部では、郊外型大型商業店舗の伸張に伴い小規模店を中心とする既存商店街で集客力が相対的に減退したところも見られ下落に転じ、または下落幅が拡大した。

3 名古屋圏

(1) 住宅地
  • 平均で△4.2%と前回の1.5%の上昇から下落に転じ、ほぼ全ての地点で下落となった。
  • 愛知県は、平均で平成17年以来4年ぶりに下落となった。
  • 名古屋市は、平均で△6.4%と前回の3.4%上昇から下落に転じ、平成17年以来4年ぶりの下落となった。市内中心部の優良住宅地の存する千種区及び昭和区は、分譲マンション、戸建住宅の販売不振等から2桁の下落となった。
  • 自動車産業の大幅減産等による地域経済の悪化により、西三河地域の豊田市、刈谷市等は下落に転じ、尾張地域の一宮市、瀬戸市等は下落幅が拡大した。
  • 地価公示との共通地点で半期毎の地価動向を見ると、尾張地域及び西三河地域で下落基調が後半鈍化した地点が多く見られた。
  • 三重県では、四日市市、桑名市等で下落幅が拡大した。
  • 圏域縁辺部では、交通利便性の低い地域や人口減少等により相対的に宅地需要が低迷している地域は、下落幅が拡大した。
(2) 商業地
  • 平均で△7.3%と前回の1.9%上昇から下落に転じ、全地点が下落となった。
  • 愛知県は、平成17年以来4年ぶりに平均で下落となった。
  • 名古屋市では、市内中心部で、不動産ファンド等による投資の減少や地域経済の悪化を受け商業用地需要が減退するとともに、オフィス賃料の下落、空室率の上昇等により不動産市況が悪化したことから、平均で下落に転じ、また大きな下落を示した地点が多く見られた。
  • 自動車産業の大幅減産等による地域経済の悪化により、西三河地域の豊田市、刈谷市等は下落に転じ、尾張地域の一宮市、瀬戸市等は下落幅が拡大した。
  • 地価公示との共通地点で半期ごとの地価動向を見ると、尾張地域及び西三河地域で下落基調が後半鈍化した地点が多く見られた。
  • 三重県では、四日市市及び桑名市が平均で下落に転じた。
  • 圏域縁辺部では、交通利便性の劣る地域や中心市街地の商店街等の集客力が相対的に減退している地域で下落幅が拡大した。

V 地方圏

(1) 住宅地
  • 平均で△3.4%と前回の△2.1%に引き続き下落となった。
  • 地方ブロック中心都市では、札幌市が平成17年以来4年ぶり、仙台市及び福岡市が平成18年以来3年ぶりに平均で下落に転じ、広島市は18年連続で下落となった。
  • 県庁所在都市その他の地方中心都市では、静岡市、大津市及び岡山市が平均で上昇から下落に転じたほかは下落幅が拡大した。唯一、青森市で大規模商業施設開業の影響等により上昇地点が見られた。
  • その他の地方都市では、一部の都市で僅かに横ばい地点が見られるものの平均で下落幅が拡大した。
  • 町村等は、人口減少の影響等により郊外部を中心に需給が緩んでいること等を背景に引き続き平均で下落となった。
(2) 商業地
  • 平均で△4.9%と前回の△2.5%に引き続き下落となった。
  • 地方ブロック中心都市では、札幌市が平成16年以来5年ぶり、仙台市及び福岡市が平成17年以来4年ぶり、広島市が平成18年以来3年ぶりに下落に転じた。
  • 福岡市、札幌市、仙台市の地方ブロック中心都市では、不動産ファンド等による投資の減少により平均で大きな下落となった。
  • 県庁所在都市その他の地方中心都市では、静岡市、大津市、岡山市、松山市及び那覇市が平均で前回上昇から下落に転じ、その他の都市は下落幅が拡大した。唯一、静岡市駿河区では区画整理事業等の進展により上昇地点が見られた。
  • 上記以外では、既存商店街の衰退等により引き続き平均で下落となった。

W 工業地

  • 全国平均は、△4.2%と前回の△1.3%から引き続き下落となった。
  • 三大都市圏は、平均で△4.4%と前回の2.9%上昇から平成18年以来3年ぶりの下落となった。前回まで東京圏臨海部で物流施設に対する需要を背景として、また、圏央道の開通による交通利便性の向上を背景として上昇地点が見られたが、自動車産業など製造業の生産調整と設備投資の抑制、投資・融資環境の変化の影響から下落となった。
  • 地方圏は、平均で△4.1%と前回の△2.2%から引き続き下落した。唯一、青森県七戸町でバイパスの一部供用開始、東北新幹線新駅開業予定等により上昇地点が見られた。


問合せ先: 国土交通省土地・水資源局地価調査課 主任分析官 大里
分析官 長野
鑑定官 酒部、朝日、大谷
(電話)03-5253-8379 (FAX) 03-5253-1578

国土交通省ホームページへ | 国土交通省記者発表資料へ | 土地総合情報ライブラリへ |
ライブラリー記者発表資料へ | 構成へ戻る | 次表へ |