【調査結果】平成19年都道府県地価調査に基づく地価動向について
(圏域別)

平成19年9月20日
国土交通省土地・水資源局

T 全国

  • 平成18年7月以降の1年間の地価変動率は、全国平均で住宅地△0.7%とほぼ横ばいとなり、商業地では1.0%と平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。

U 三大都市圏

  • 三大都市圏では、平均で住宅地4.0%、商業地10.4%上昇し、住宅地、商業地ともに前回の上昇率を上回る上昇を見せた。
  • 景気回復が続く中、旺盛なマンション・オフィス需要、企業収益の改善を背景として、各圏域都心の上昇傾向が継続するとともに、周辺地域へ広がった。
  • 都心部では、ブランド力の高い地域や高級住宅地、高度に商業・業務機能が集積した地区において、30%を超える地点があったが、半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も見られた。
  • 地価上昇の周辺地域への広がりは、都心部に近接した地域及び鉄道沿線など都心部への近接性・交通利便性や収益性の高い地域を中心に見られたが、相対的に利便性・収益性が劣る地域では、下落となった。

1.東京圏

(1) 住宅地

  • 東京圏では、平均で4.8%上昇し、前回の上昇率を上回る上昇を見せた。
  • 東京都区部は、都心回帰の動きや旺盛なマンション需要、不動産投資の拡大等を背景として前回の上昇率を上回る上昇が見られた。文京区は平均で24.6%と特別区の中で最も高い上昇率を示したが、これは優良な居住・教育環境等を背景とした底堅いブランド力から、需要が増大したことによるものである。また、港区、渋谷区では、25%を超える高い上昇率を示す地点も見られたが、一部には前回の上昇率を下回る地点もみられ、港区の平均上昇率が前回とほぼ同じであったほか、半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も多く見られた。
  • 東京都心8区の地価水準を過去の地価水準と比較すると、おおむね昭和59年頃の水準である。
  • 都下郊外部では、都心と結ぶ鉄道沿線の駅周辺地域を中心に、武蔵野市、立川市、調布市等において、また、川崎市、横浜市、千葉市、さいたま市等においても、前回の上昇率を上回る上昇となったが、これは駅周辺の利便性を背景とした住環境の優れた地域でのマンション需要の増大等により上昇地点が増加したためである。
  • このように、東京都区部都心部の上昇傾向が周辺都区部及び郊外部に広がったが、広がり方は一様ではなく、利便性や住環境により地価水準や上昇率は異なる。
  • 圏域縁辺部においては、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは、都心への通勤・通学の利便性の劣る地域や宅地需要が相対的に弱い地域である。

(2) 商業地

  • 東京圏では、平均で12.1%上昇し、前回の上昇率を上回る上昇を見せた。
  • 渋谷区、港区等の高度商業地においては、30%を超える高い上昇率を示す地点が見られたが、これは景気回復が続く中、オフィス需給の逼迫や不動産投資の拡大、都市再生等を背景とした賃料の上昇による収益性の向上や商業集積による利便性の向上等が要因となったものである。しかしながら、半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も多く見られた。
  • 東京都心8区の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和54年頃の水準である。
  • 都下郊外部では、立川市、武蔵野市、東村山市等が2年連続して平均で上昇となったが、これは都心と結ぶ鉄道沿線の拠点都市を中心に繁華性、収益性等が向上したためである。
  • 川崎市、横浜市、川口市が2年連続して平均で上昇となったが、これは駅周辺の再開発事業等で繁華性、収益性等が向上したためである。
  • 浦安市及び市川市、千葉市、さいたま市等では2年連続して平均で上昇となったが、これはマンション需要やマンション建設による集客力期待等を背景としたものである。また、地域の商圏の中心となるその他の中核都市及び都心とこれらを結ぶ地域でも、平均で上昇となった。
  • 守谷市で10%を超える地点が見られたが、これはつくばエクスプレス開業後の路線商業地域の集客力の高まりによるものである。
  • 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは大規模商業施設の郊外出店等の影響により既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいるためである。

2 大阪圏

(1)住宅地

  • 大阪圏では、平均で2.9%上昇し、平成2年以来17年ぶりにわずかな上昇となった。
  • 都心回帰の動きの中、圏域の中心都市では大阪市、京都市が2年連続、神戸市、奈良市が平均で上昇となったほか、伝統的な高級住宅地等においては10%を超える上昇率を示す地点も見られた。
  • 阪神地域では芦屋市、西宮市等が、大阪市郊外部では豊中市、高槻市、茨木市、堺市等が2年連続で上昇となったが、これは大阪都心への近接性・生活利便性や住環境に優れた地域で上昇地点が増加したためである。
  • 京都市近隣では向日市、宇治市、長岡京市等が2年連続して平均で上昇となった。これは利便性や住環境に優れた地域に需要が顕在化してきたためである。
  • 奈良市近隣では生駒市が平均で上昇となったが、これは近鉄けいはんな線の開業により利便性が向上したためである。
  • 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは都心部から遠く利便性が劣り、住宅地として需要が弱いことによるものである。

(2) 商業地

  • 大阪圏では、平均で8.0%上昇し、前回の上昇率を上回る上昇を見せた。
  • 大阪市では、北区、中央区、西区等で上昇傾向を強め、2年連続して平均で上昇となったほか、御堂筋沿いの地域で、35%を超える上昇率を示す地点も見られたが、これは、大阪駅周辺や御堂筋沿いで再開発等が進展したこと等により繁華性、収益性等が向上したためである。しかしながら、半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も多く見られた。
  • 大阪市中心6区の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和 52年以前の水準である。
  • 京都市では、観光客数が引き続き増加していること等を背景として、全ての区で2年連続して平均で上昇となったが、中京区、下京区等は平均で前回の上昇率を下回っており、半期ごとの地価動向を見ても、今年に入って上昇率が低下した地点が見られた。
  • 神戸市は2年連続して平均で上昇となったが、これは景気回復に伴うオフィス需要の増大を背景として、神戸市の市内中心部の高度商業地域で上昇地点が増加したためである。また、阪神地域で上昇率が増加したが、これは大阪市への近接性・交通利便性に優れた都市で上昇傾向が見られたためである。
  • 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは大規模商業施設の郊外出店等の影響により既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいるためである。

3 名古屋圏

(1)住宅地

  • 名古屋圏では、平均で2.4%上昇し、平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。
  • 名古屋市では、全地点が上昇又は横ばいとなり、昨年の上昇率を上回る上昇を見せたが、これは景気回復が続く中、利便性や住環境の優れた地域で需要が顕在化してきたためである。なかでも、伝統的な高級住宅地や利便性・住環境に優れた優良住宅地においては、15%を超える上昇率を示す地点が見られるが、半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も見られた。
  • 西三河地域と同地域と名古屋市の中間に位置する尾張東部地区において、上昇地点が増加し、平均で上昇となった市町が増加したが、これは好調な地域経済を背景として住宅需要が堅調なためである。
  • 圏域縁辺部では、依然として下落が続いているが、これは名古屋市までの交通利便性が劣る地域や相対的に宅地需要が低迷している地域である。

(2) 商業地

  • 名古屋圏では、平均で7.2%上昇し、前回の上昇率を上回る上昇を見せた。
  • 名古屋市では、名古屋駅周辺や栄地区等で30%、40%を超える上昇率を示す地点が見られるが、これは超高層ビルの建設が進み、事務所等の集積の高まりや繁華性、収益性等の高まりによるものである。しかしながら前回の上昇率を下回る地点も一部に見られ、また半期ごとの地価動向を見ると、今年に入って上昇率が低下した地点も見られた。
  • 名古屋市の地価水準を過去の地価水準と比較すると、昭和52年以前の水準である。
  • 岡崎市、豊田市ではほぼすべての地点が上昇し、平均でも上昇に転じたが、これは主として好調な地域経済を背景としたものである。
  • 圏域縁辺部では、下落幅は縮小したものの依然として下落が続いているが、これは大規模商業施設の郊外出店等の影響により既存商業地の集客力の相対的減退等が進んでいるためである。

V 地方圏

1.住宅地

  • 地方圏全体では、平均で△3.1%が△2.3%となり、3年連続して下落幅が縮小したものの引き続き下落した。
  • 地方ブロック中心都市のうち、札幌市は2年連続、仙台市、福岡市は平成3年以来16年ぶりに平均で上昇に転じ、また、広島市においても、中区は2年連続、南区等が平均で上昇となった。特に、札幌市、仙台市及び福岡市では、10%を超える上昇率を示す地点も見られた。
  • その他の地方中心都市でも、まちづくりの取組み、市街地整備や交通基盤整備等により、大津市は2年連続、静岡市、浜松市、岡山市が平均で上昇となったほか、前橋市、新潟市、津市、和歌山市、高松市、松山市、熊本市、那覇市で上昇地点が現れた。
  • その他の地方都市では、人口増加やマンション供給を背景に、滋賀県守山市、草津市で前回の上昇率を上回る上昇を見せたほか、長野県松本市、倉敷市、福岡県久山町、長崎県雲仙市で上昇地点が現れた。また長野県軽井沢町で高級別荘地としての需要の高まり等により平均で上昇となったほか、北海道倶知安町、沖縄県石垣市、沖縄県恩納村で観光需要の増大等を背景に平均で上昇となった。また、北海道苫小牧市で大規模商業施設開業の影響等により上昇地点が現れた。
  • これらの地域以外では、人口減少の影響等により、郊外部を中心に需給が緩んでいること等を背景として、依然として下落している。

2.商業地

  • 地方圏全体では、平均で△4.3%が△2.6%となり、4年連続して下落幅は縮小したものの、引き続き下落した。
  • 地方ブロック中心都市では、札幌市、仙台市、福岡市は2年連続、広島市は平成3年以来16年ぶりに平均で上昇に転じた。特に、札幌市、仙台市及び福岡市の繁華性、収益性等の優れた一部地区では30%を超える上昇率を示す地点も見られた。
  • その他の地方中心都市でも、中心市街地活性化や交通基盤整備の取組み等を背景として、静岡市及び大津市は2年連続、浜松市、岡山市、松山市、鹿児島市、那覇市が平均で上昇となった。また水戸市、高崎市、新潟市、富山市、金沢市、岐阜市、和歌山市、高松市、熊本市、大分市で市街地開発事業や駅前区画整理事業等により、上昇地点が現れた。
  • その他の地方都市では、新幹線開業期待によるホテル需要等を背景として、函館市は平均で上昇した。また、三重県松阪市、東広島市で駅前区画整理事業の取組み等により上昇地点が現れたほか、北九州市門司区等で観光振興の取組み等により上昇地点が現れた。
  • これらの地域以外では、中核的大規模商業施設の撤退、大規模商業施設の郊外出店等の影響により、依然として下落している。

W その他

    景気回復による企業収益の改善等を背景として、以下のとおり、工業地に上昇地点が現れた。
  • 三大都市圏においては、東京圏では、江東区、川崎市、横浜市、市川市、船橋市等で物流施設に対する需要を背景として上昇地点が見られるほか、圏央道の関越道から中央道までの開通による交通利便性の向上により青梅市、入間市で上昇地点が現れた。大阪圏では、企業収益の改善や基盤道路の整備等を背景として宇治市、向日市等で上昇地点が現れたほか、尼崎市で臨海工業地への企業集積の影響により上昇地点が現れた。名古屋圏では、愛知県飛島村で名古屋港周辺での物流用地の需要の増大や伊勢湾岸自動車道の延伸に伴う交通利便性の向上により30%を超える高い上昇率を示す地点が現れた。
  • 地方圏においても、企業収益の改善等を背景として静岡県、岡山市等で平均で上昇となった。また、岐阜県関市で東海環状自動車道の開通を背景とした沿線工業団地への工場進出増加により2年連続で上昇地点が見られたほか、第二名神高速道路の部分開通を間近に控え工場立地が進む滋賀県でも、守山市、草津市等で上昇地点が現れた。さらに、青森県七戸町の工業地にも上昇地点が現れたが、これは東北新幹線延伸による新駅建設地に隣接しており、将来の開業期待を反映したものである。

問合せ先: 国土交通省土地・水資源局地価調査課(企画専門官)大澤、(企画係長)黒瀬
(電話)03-5253-8377   (FAX) 03-5253-1578

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