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事業者へのヒアリング
事業化地区

八戸市沼館地区
地権者が調査開始から三代変わったが、いずれも単独の大地主であったことが行政の継続的誘導を可能にしたと言える。
事業化のプロセスで、都市計画・地区計画に事業を位置づけ(事業者と協議しながら公益的内容事項の確認を行い事業化の条件に沿った制限)により、適切に事業を誘導する手法をとった。そのため、行政が事業のタイミングを見て誘導する方法をとっている。これは、高崎地区でも同様。
行政が事業に係る商工会議所や住民との協議、幹線道路や橋梁の整備など併行した事業を行っている。


木更津市築地地区
館山自動車道IC、国道16号に近接、隣接することから施設立地の条件が良いとの調査結果を得、事業化に向けて市と地権者企業が協力し事業化を推進することが出来た。
当該地区は埋立後、約30年間低・未利用地のままとなっていたが、地権者が1企業であったことが事業化に至る決断を容易にした。
国の調査により開発と中心市街地浮揚が連動するとの報告書内容が基で、a.地元経済団体と自治体の合意が得られたこと、b.大規模商業施設の進出の目処が立ったこと、c.土地活用、開発に必要な都市計画の変更、地区計画の策定、手続きが県の協力を得て円滑に行なわれたことなど。


高崎市田町連雀町外
長期の低・未利用地が競売されると、地区にふさわしくない土地利用をされる恐れがあることから、行政が日常から付き合っている地元の大手デベに土地購入の話を持ちかけた。これは、中心地の活性化を誘導するにあたり、単独地主だと、開発の中身について話しやすいことや、デベの地域貢献の立場をうまく誘導して、市で考えている有効活用のスキームをつくった。
水路確保を条件に固定資産税を減免する行政支援を行った。
まちづくり団体を開発に係る地域調整役に育て、本来、行政が行う公益的事業調整をまちづくり団体が主体となって民民で行い、円滑に進められた。


上越市寺町
地元参加型の話し合い活動や住民説明会を通じ、施設内容、建物のレイアウト、壁の色など地域の意見を尊重することで、介護が売りではなく「くらしのサービス・街の文化」が売りであることを理解してもらった。
さらに、地域の理解が得られ、施設づくりと運営への地域住民の参加(コミュニティ経営手法)が得られた。
「国の直轄調査」ということで、一企業の金儲けではない公益性のある事業として地域社会に信頼され、地域社会を動かし利用客の信頼も得られた。


さくら市氏家駅前地区
調査に地域住民が参加・協力し、地主が土地を安く貸し出し、工場等空き施設を市に無償贈与するなど、モデル事業化のきっかけとなった。
時の町長の強いリーダーシップにより、地域住民、企業、農協などの継続的参加・協力を進め、行政との協働体制が組織化された。


宮崎市宮崎駅西口地区
本調査の成果を受けて、さらに計画策定体制(計画段階で専門家等の参画、支援等)により適切な検討が行われ、事業コンペを実施することができた。
提案競技を実施する場合、幅広く応募者を集める為には、行政側から実勢に近い提案可能な土地賃料を設定するなど事業に係る条件の透明化が重要であると思われる。(行政財産であったことや庁内の縦割り体質からオープンにできなかった)
経済状況の変化、景況、地価動向に厳しい地方都市における駅前の地価ポテンシャルが試されるケースと考えられる。



継続検討地区

桐生市宮前、堤、元宿地区
経済状況、景況、地価動向から区画整理事業など一括した面整備が馴染ま ないことから、整備手法の見直しが必要。
関係者の合意形成を仕掛ける手法が必要:大幅な減歩に抵抗が大きく賛同が得にくい状況である。しかしながら関係者は、何らかの整備の必要性を意識しており、視察や勉強会など市からの問いかけに地権者や住民が参加している状況。
財政が平成23年まで改善されないため、行政として事業に係るソフト面の対応がメインとなっている。継続的支援や調整が必要だが、行政頼りの傾向があり、なかなか市から積極的に仕掛けられない事情がある。


八女市土橋地区
マンション需要が望めない地域であったこと、コスト面のアンバランスの課題が大きかったことから、地方都市の資金調達の方法としては、少なくとも民間ファンドは厳しいことがわかった。出来る限りの行政支援や適切な手法の選択が望ましい。
賃貸に住むよりも家を買う傾向が地方都市に多い。このケースでは介護保険を使用しない元気単身高齢者用住宅(現代風高齢者長屋住宅)が望まれる。
伝統的建造物群指定の街並みと今回完成する新市町村会館(平成22)と機能連携できる低・未利用地の活用策を地域の歴史や文化から導く。そのためには、一定の期間の社会実験で適切な導入機能の実証データを入手する必要がある。



断念地区

秦野市本町地区
行政先行型で地区の課題や対応策を地元に提示することにより、地域住民や商業者の同意を促す方法を選択したが、地元意識との温度差がみられ断念の方向となった。同意の可能性や同意をとるための手法などに事前のリサーチが足りなかった。
本市は郊外型の土地区画整理事業の実績は多いが、既成市街地型の面整備に土地区画整理事業のみによる対応を誘導したことに課題を残した。
断念後、市では「まちづくり条例(H12.12 施工規則H13.3)」に基づき、本地区を含む周辺地区のまちづくり協議会をH13.1に発足させ、当該地区隣接の上宿地区(商店街)でH19年からルール作りに着手した。これら先導地区の影響を受けて、当該地区の自主的まちづくり活動の契機が出てきた段階で条例に基づく支援を用意している。





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