JR室蘭駅に近い中心市街地において、地元の行政・産業界が官民協働による整備運営組織を設立し、広域的な行政拠点として旧国鉄跡地を有効活用しました。

「むろらん広域センタービル」北海道室蘭市

 地域力の結集(=オール室蘭)により、期成会の設立からビル建設の資金調達まで行うことで、都市の中心に位置する土地の有効活用を実現し、周辺商店街の活性化や賑わいづくりなどにも寄与しています。

■地区の概要と課題

室蘭市は、北海道南西部の太平洋側に位置する、人口9万6千人の都市で、明治期より100年以上にわたり鉄鋼業を中心とした「ものづくりのまち」として発展してきました。

本地区は、室蘭港を臨む入江地区と既存商業地のある中央地区の中間点に位置し、周辺には室蘭合同庁舎をはじめとする、室蘭開発建設部、社会保険事務所、公共職業安定所などの国の行政機関及びJR室蘭駅が立地しています。

北海道の出先機関である胆振支庁合同庁舎の移転改築に伴い、室蘭市は、移転改築による新市街地の形成と地域の活性化を目的に、土地区画整理事業により生じた旧国鉄跡地を先行取得しました。しかし、北海道の財政状況の悪化や支庁制度改革等により移転計画が凍結されたことから、先行取得した土地の有効活用が課題とされていました。


■地区の位置

地区の位置

■事業の経緯

平成9年に北海道は、出先機関である胆振支庁合同庁舎の移転改築場所を室蘭市入江地区に決定し、それに伴い平成11年に室蘭市土地開発公社が、移転改築予定地として、土地区画整理事業により生じた旧国鉄跡地(約2ha)を先行取得しました。

その後、北海道の財政悪化や支庁制度の見直しなどにより移転計画は凍結され、市や地元経済会は、新たなまちづくりや地域の活性化に向け、平成13年に「胆振支庁合同庁舎早期改築期成会」を立ち上げ、移転に向けた手法の研究を行い、北海道への提案を行いました。

平成17年に民間が建設した施設に賃貸で入居する案を北海道へ提案し、翌18年2月に北海道が正式に承諾しました。

それを受けて、市や商工会議所、地元企業などの出資により、平成18年4月に特別目的会社「むろらん広域センタービル株式会社」を設立し、ビルの建設に着手。平成21年2月に完成し、その後、各テナントが業務を開始しています。

■地区周辺の概況
その1

■施設の外観
その2


■事業の概要、事業スキーム

地元(室蘭市、室蘭商工会議所、金融機関、地元企業等)が一体となって事業主体(デベロッパー)を設立するとともに、ビル建設を地元建設業者への工事発注により行い、そのビルに北海道及び室蘭市の公共機関をはじめ、金融機関や民間企業等が入居しています。

ビル建設のための資金調達は、少人数私募債による社債発行及び室蘭市と金融機関からの貸付金を活用しています。

室蘭市の貸付金においては、市民参加型ミニ公募債(通称:らんらん債)を発行することで、市民も参加した地域力の結集により事業が実現できました。

■ホール

ホール

事業スキーム

■事業の効果など

官民の複合入居によって、一箇所で様々な手続きが可能なワンストップサービスの提供ができるようになり、市民の利便性の向上を図るとこができました。

本ビルにおいて、就業人口約800人を確保し、地元雇用の増加及び地元居住の増加にも寄与しています。

また、利用者や出入りの業者を合わせると、1日2,000人以上の往来があり、昼間人口の増加によって新しい人や車の流れが発生し、周辺では店舗の新築や空き店舗を活用した新規出店などもみられることから、周辺商店街の活性化や賑わいづくりの創出に効果をもたらしています。

■周辺商店街

周辺商店街

■「むろらん広域センタービル」施設概要

位置

北海道室蘭市海岸町1丁目

地区面積

約2.01ha

事業主体等

事業主体:むろらん広域センタービル株式会社
管理運営主体:室蘭商工会議所
事業年度:平成18年度〜平成20年度
総事業費:約28.8億円

土地諸元

土地所有者:室蘭市土地開発公社
借地権者:むろらん広域センタービル株式会社
借地権の種別:事業用定期借地権
借地期間:40年

施設計画の概要

敷地面積:20,083m2
建築面積:4,659m2(建ぺい率;23.2%)
延べ床面積:14,085m2(容積率;70.1%)
階数:地上4階建
構造:鉄骨造
主要入居テナント:北海道(胆振支庁)、室蘭市役所(戸籍住民課、保険年金課、課税課
            、納税課の4課)、室蘭商工会議所、金融機関、地元企業


■問合せ先
 室蘭市役所企画財政部企画課
 TEL:0143-25-2181
 〒051-8511 北海道室蘭市幸町1番2号