富山市の中心市街地において、市街地再開発事業を行う民間街区内の従前市道(廃止)と民地セットバックを組み合わせて、まちなかの賑わいを創出するまちなか広場(グランドプラザ)を創出しました。

「グランドプラザ整備・運営事業」富山県富山市

コンパクトシティ富山の中核となる中心商店街活性化の目玉事業であり、冬季や雨天でも集客や憩いの核となるガラス屋根のひろば空間を、再開発事業と公共事業を組み合わせて実現しました。

■地区の概要と課題

富山市は人口約42万人、富山平野の中心部に位置する県庁都市であり、平成26年度には北陸新幹線の開業が予定されています。

富山市は、平野部が多く、郊外における地価が比較的安価であることなどにより、戦後一貫して郊外部での開発が進行し、0〜40 人/haの低密度に市街地が拡散する都市構造となっています。

富山市の中心市街地は総曲輪地区周辺に形成されてきましたが、郊外化の影響を強く受け、その活性化は「コンパクトシティ構想」を打ち出している市の基本コンセプトからも最も重要な課題とされています。

グランドプラザの位置する総曲輪地区は富山市最大の商店街・繁華街であり、昭和28年にはアーケードが設置され、総曲輪通りでのショッピングを「総ブラ」と呼んで楽しまれてきました。

しかし郊外化に伴う大型店の撤退などが相次ぎ、歩行者数の減少、小売業の売り上げや店舗数の減少など、地区の活性化が大きな課題となっています。

そこで富山市と地元関係者は、中心市街地の賑わい再生に向けて再開発事業などを核とした中心市街地活性化基本計画を策定し、順次その事業化を進めています。

■地区の位置

地区の位置


メインの写真

■事業の経緯

総曲輪地区では平成4年に南地区での再開発準備組合設立、平成7年には西町・総曲輪地区での再開発協議会設立など、地区の再開発・活性化に向けた動きが本格化していました。

平成13年には両地区の市街地再開発事業が都市計画決定され、14年には西町・総曲輪地区での組合設立、16年には南地区での組合設立と事業化に向けて具体的に歩みだしています。

こうした市街地再開発事業の事業化と連動して、両地区の間にある市道を市民のための広場として生まれ変わらせる試みが検討され、平成16年に「グランドプラザ活用委員会」が発足し、そこでの検討を経て同年に基本設計に着手しました。

平成17年には西町・総曲輪地区市街地再開発事業が竣工、同時にグランドプラザの実施設計が行われました。

平成18年にグランドプラザ着工、翌19年にグランドプラザと総曲輪通り南地区市街地再開発事業が竣工しグランドオープンとなりました。

グランドプラザその1

グランドプラザその2

■事業の概要、事業スキーム

中心市街地のアーケード通りの一角に、東西約21m、南北約65mの長方形の敷地にガラス製の屋根に覆われた広場ができました。

これは、平成19年2月に富山市が全国に先駆けて認定を獲得した、改正中心市街地活性法下での中心市街地活性化基本計画に盛り込まれた事業の一つです。

グランドプラザは、立体駐車場が入っている「CUBY(キュービィ)」と、「総曲輪フェリオ(総曲輪通り南地区)」の二つの再開発ビルの間の市道を拡幅して作る南北約65メートル、東西約21メートルのガラス屋根に覆われた広場空間です。

グランドプラザの敷地は、隣接する百貨店と駐車場の再開発に併せて、廃止する道路を集約しました。両再開発のセットバック分も含めて21mの幅を確保しています。

セットバック部分は、市が無償で借り受けています。広場全体を一括して市が直営で、整備、管理、運営を行っています。整備費用は両街区側も面積案分で負担しています。

グランドプラザを管理・運営するために市では条例を制定し、道路の指定を解除してなるべく自由に使用できる広場としています。

施設の運営に関しては、当面は一種の社会実験という位置づけとされ、富山市が運営に当ります。スタッフは「管理」より「運営」を重視したスタッフ配置としています。

グランドプラザその3

グランドプラザその4

グランドプラザその5

■事業の効果など

来街者の減少傾向に歯止めがかかり、総曲輪商店街全体の歩行者交通量も増加に転じ・総曲輪通りでは約2.23倍、平和通り北では4.7倍となりました。

イベント開催などにより、郊外等に流出していた若者、男性やファミリー層が戻ってきています。昨年度はイベント数120件、日数は170日、ほぼ2日に1回のペースで開催されています。

市民からのイベントの提案と協賛したい企業とを結び付けるマッチング事業も展開しています。生花店の提案を新聞社やテレビ局などが支援した「バレンタイン with ラブゲート」など、08年3月までに8件のマッチングが成立しています。

また、来街者数の増加を見て、商店街の店舗の中に改装を行うなど、積極的な経営に転ずる傾向が見られ始めています。

また、地価が13%上昇し、市民イメージが向上するなど、単にグランドプラザ整備のみの影響とは言い切れないものの、総じて総曲輪通りの地位の向上を表す数値が上げられています。

■グランドプラザ整備前

 

整備前

■グランドプラザ整備後

 

整備後


■断面図

断面図


■平面図

平面図


■「グランドプラザ」施設概要

位置

富山県富山市総曲輪3−8−39

地域地区等

商業地域
防火地域
高度利用地区

事業主体等

事業主体:富山市
管理運営主体:富山市
事業年度:平成16年度〜平成19年度
総事業費約15億2000万円(まちづくり交付金:約8億9000万円)

施設計画の概要

敷地面積:約1400m2
延べ床面積:約1,489m2
構造:鉄骨造
最高高さ:約19.2m

■問合せ先
 富山市富山市 都市再生整備課 グランドプラザ運営事務所
 〒930-0083 富山市総曲輪三丁目6番15-23号
 TEL.076-407-4400 FAX&TEL.076-407-4422