大型店立地が進む高松市で、四百年の歴史を持つ中心商店街が進める再開発の第一弾。定期借地権方式を導入、土地の所有と利用を分離して市街地再開発事業の新しいフォーマットを開発。

「高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業」香川県高松市

まちづくり会社による施設の運営管理、不動産証券化スキームの導入、エリアマネージメント方式による商店街全体の運営など、地方都市の中心市街地再生スキームを総合的に組み合わせて実践に応用。


■高松市商業の概要と課題

高松市は人口約42万人、商圏人口約55万人を有する香川県の県都でありまた四国の玄関として発展してきた都市です。政府系機関や大手企業の出先・支店が高松に集中し、支店経済が高松市を支えてきた源泉とも言われています。

本四架橋が完成するまでは、船による物流に依存してきたこともあって、本州各地で見られるような大型店の立地も少なく、長い間無風状態であったといえます。

しかし、昭和63年の児島坂出ルート開通により状況は一変し、物流体制を整えた大手流通チェーンによる郊外大型店立地が加速していきます。

さらに、旧高松市に隣接する都市が線引きを実施していないこともあって旧高松市の市街化調整区域を超えて郊外化が進み(このため、合併後の高松市では平成16年には全国で始めて線引きが廃止される事態となっている)、これに並行して大型店の立地も進みました。

こうした結果、高松市では平成7〜12年の5年間で売り場面積は39万m2から62万m2に急増、その後も既存SCのスクラップ&ビルド、延べ床面積10万m2超が2店立地するなど、非常に厳しい流通戦争にさらされるようになりました。



■高松丸亀町商店街A街区の位置

高松丸亀町商店街A街区の位置

■経緯

高松丸亀町商店街は、高松築城に起源を持つ約400年の歴史を持つ商店街であり、長く高松市を代表する商店街として栄えてきました。

昭和63年の丸亀町生誕400年祭において、500年祭を目指して100年持つまちづくりが提唱され、これを契機として青年会を中心として再開発の検討が始まりました。

この成果が、平成2年度に高松丸亀町商店街再開発計画として取りまとめられ、以降、地元を中心とする組織や高松市、高松商工会議所など各レベルにおいて中心市街地・商店街の整備・再開発に向けた検討が行われました。

平成5年度にはA街区の市街地再開発事業基本計画が策定され、同時に準備組合がさ設立されました。

その後、再開発及びまちづくりの手法、スキームなどに関する多くの調査検討を同時並行的に行いつつ、地権者の合意形成、関係機関相互の調整などを行い、平成10年度に高松丸亀町まちづくり会社(第3セクター)の設立、平成13年度にA街区市街地再開発事業の都市計画決定、平成14年度にはA街区の再開発組合の設立、都市再生緊急整備地域指定が行われました。

平成15年度には、地権者の共同出資による高松丸亀町壱番街株式会社が設立され、翌平成16年度に権利変換計画の認可を経て平成17年1月に工事に着手され平成18年12月に竣工・再開発ビル(高松丸亀町壱番街)が竣工・オープンし、次いで平成19年6月にA街区ドームが完成しました。


■丸亀町全体の再開発の考え方

高松丸亀町商店街は延長約470m、面積約4haの路線型商店街ですが、これをA〜Gの7街区に区分し、全体の方針と各街区ごとのまちづくりの方針を合意して整備を進めています。

平成2年度段階で、全体方針として消費者のニーズに適切に対応できるよう、商店街全体を一つのショッピングセンターとして再構築すること、新たな業種業態の参入など商店街の新陳代謝が可能な条件を整えること、そのために、土地の所有と利用を分離することなどが打ち出されています。

平成17年度には、こうしたまちづくり全体の進め方などについて、「高松丸亀町商店街タウンマネージメント・プログラム」として構築しています。

このなかで商店街の両端に位置するA街区とG街区では、市街地再開発事業により商店街の中核となる施設の整備を図り、B〜F街区では共同建替えなどによって漸進的にまちづくりを進めることとしています。



■高松丸亀町商店街A街区のドーム

高松丸亀町商店街A街区のドーム

■高松丸亀町商店街A街区の沿革

できごと
昭和62年度
商業近代化地域計画(商工会議所)
平成2年度
再開発計画(商店街振興組合)
平成3年度
中心商業地区・地区更新基本計画(高松市)
再開発計画(策定委員会)
平成4年度
商店街等活性化実施計画(商工会議所)
平成5年度
市街地総合再生計画 大臣承認
A街区市街地再開発事業基本計画
A街区市街地再開発準備組合設立
平成6年度
A街区市街地再開発事業推進計画
平成7年度
A街区市街地再開発事業・事業採択
平成10年度
まちづくり株式会社(第三セクター)設立
平成7年度
A街区市街地再開発事業・事業採択
平成10年度
まちづくり株式会社(第三セクター)設立
平成13年度
A街区市街地再開発事業都市計画決定
平成14年度
A街区市街地再開発組合設立認可
都市再生緊急整備地域指定
平成15年度
特定業務代行者決定
平成16年度
都市再生特別地区都市計画決定
A街区・権利変換計画認可
A街区市街地再開発事業・高度化事業認可
A街区市街地再開発事業着工
平成18年度
A街区市街地再開発事業竣工

■高松丸亀町商店街A街区のコンセプト

高松丸亀町商店街A街区のコンセプト

■A街区プロジェクトの特徴

A街区プロジェクトは約150店で構成される高松丸亀町商店街全体の再開発を目指す事業の第1弾です。

整備計画は、2棟の再開発ビルを計画し上層部には分譲マンションを配置するものとなっています。

事業スキームの最大の特徴は、商店街としての最大価値を引き出すために土地の所有と利用を明確に区分したことにあります。

この基本原則を貫徹するために、地権者の全員同意による定期借地権導入、出店者による共同出資会社設立、第3セクターであるまちづくり会社による運営受託、転出者の土地取得のため証券化スキームを導入するなどの様々な手法を導入し地区の実情に適応させる創意工夫がなされています。



■高松丸亀町商店街A街区

高松丸亀町商店街A街区

■高松丸亀町商店街A街区

高松丸亀町商店街A街区


■高松丸亀町商店街A街区の権利変換の仕組み

高松丸亀町商店街A街区の権利変換の仕組み


■高松丸亀町商店街A街区のスキーム

高松丸亀町商店街A街区のスキーム


■「高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業」配置図

「高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業」配置図









■「高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業」施設概要
位置
高松市丸亀町,片原町の一部
地域地区等
商業地域、防火地域
都市再生特別地区
事業名、地区面積
高松丸亀町商店街A街区第一種市街地再開発事業 約0.44ha
事業主体等
施行者:高松丸亀町商店街A街区市街地再開発組合
事業年度:平成14年度〜平成18年度
総事業費 約65億円
設計管理:(株)まちづくりカンパニー・シープネットワーク
施工:西松建設(株)・(株)合田工務店共同企業体
施設計画の概要
敷地面積:約3,100m2 延べ床面積:約16,600m2
     西街区:約10,134m2(地上10階、地下1階)
     東街区:約 6,441m2(地上8階)
  商業施設:延べ面積約8,500m2
  住宅:47戸
  文化施設:丸亀町レッツ

■問合せ先
 高松丸亀町商店街振興組合