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平成16年度定期借地権供給実態調査:定期借地権付住宅の二次流通実績調査

調査の概要

定期借地権付住宅の二次流通の実態把握のために、国土交通大臣指 定の不動産流通機構における定期借地権付住宅の二次流通成約データを収集分析するとともに、より具体的な取引実態を把握するため、中古 定期借地付住宅の取引担当者に対するアンケート調査と不動産流通 情報サービス会社から入手したデータにより分析を行いました。

調査結果のポイント

  1. 平成16年末までの全国の中古定期借地権付住宅流通戸数は551戸(うち一戸建住宅247戸、マンション304戸)でした。
  2. 平成16年の中古定期借地権付住宅流通戸数は161戸で、平成16年末までに供給された定期借地権付住宅戸数の0.3%に相当します。
  3. 成約物件の状況
    ①築年数
      成約した物件は築5年前後が多く、築3年以上7年未満の物件が半数以上を占めています。
    ②成約期間
      半年未満で成約した物件は、一戸建住宅では約7割、マンションでは10割を占めています。
    ③成約価格
      当初分譲価格と比較すると、一戸建住宅では29%減、マンションでは17%減でした。
  4. 売却理由は、一戸建住宅では「家族構成の変化のため」が、マンションでは「所有権物件を購入した」が最も多くあげられました。
  5. 中古定期借地権付住宅に関する課題
    ①保証金
      多くの担当者は取引事例が少ないので査定に苦労しており、中古定期借地権付住宅の査定マニュアルが望まれています。
    ②住宅ローン
      中古定期借地権付住宅の流通全般について意見を聞いたところ、「住宅ローンの充実が望まれる」をほとんどの回答者があげています。
    ③媒介業務及び媒介報酬
      中古定期借地権付住宅の取り扱いについては、高度な知識と煩雑な手続きが必要であり、通常の土地の売買や建物の賃貸に比して、媒介報酬が割安と感じられています。

調査結果の概要

1.中古定期借地権付住宅流通状況

(1)二次流通戸数
各不動産流通機構の登録データを集計すると551戸、うち一戸建住宅247戸、マンション304戸となる。
定期借地権付住宅の総数(ストック)に対する二次流通戸数の割合を見ると、首都圏においては、ストックに対して一戸建では1.4%、マンションでは3.0%となっている。
他地域ではデータの保有年数が短いので傾向を見ることは難しい。


首都圏での定期借地権付住宅戸数と二次流通戸数

首都圏での定期借地権付住宅戸数と二次流通戸数


(2)平成16年二次流通物件の概要
①二次流通戸数
  全国の二次流通戸数は161戸、うち一戸建住宅は53戸、マンションは108戸である。
ストックに対する二次流通戸数の割合を求めると、
    一戸建住宅では 53/32,790=0.2%  
    マンションでは 108/16,497=0.7%  
    合計では 161/49,287=0.3%  
  となる。
②二次流通時の築年数
  一戸建住宅では築9年未満まで各年4,5戸ずつ分散しているが、築2年以上3年未満は9戸で最も多い。マンションでは築2年以上8年未満まで各年10戸以上ずつ分散しているが、築4年以上5年未満は20戸で最も多い。


平成16年二次流通物件の築年数(単位:戸)

平成16年二次流通物件の築年数


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2.成約事例アンケート調査

(1)調査対象データ数

中古定期借地権付住宅物件を取り扱っている不動産流通業者の担当者に対するアンケート調査を行った。また、流通情報会社から入手した、流通内容のわかる情報をもとに分析を行った。


調査対象数(単位:件)

調査対象数


(2)調査結果

①築年数
  一戸建では築3年以上7年未満が各年6件以上で、これらを合わせると全体の半数以上を占めている。マンションでも築3年以上5年未満で半数以上を占めている。

築年数(単位:件)

築年数

②成約期間
  一戸建は、3ヶ月未満の期間で34件中14件、半年未満の期間では34件中23件が成約している。半年以上の長期にわたる成約期間を要する物件も11件あり、各事例の条件により、成約までの期間のばらつきが見られる。
マンションは、6件すべてが6ヶ月未満で成約しており、2ヶ月未満で4件が成約している。
③売却理由
  一戸建定期借地権付住宅の売却理由として、「家族構成の変化のため」が最も多く、「ローン・地代の支払いが困難となった」、「転勤のため」が続き、住環境以外の要因が目立つ。また、「所有権物件を購入した」も上位の売却理由にあげられている。その他の理由としては、破産による任意売却等があげられている。
マンションでは「所有権物件を購入した」、「家族構成の変化のため」、「親元へ帰ることになった」、「ローン・地代の支払いが困難となった」があげられている。
一般的な住宅の住み替え理由としては、住宅やその環境の改善が 上位にあげられるが、定期借地権付物件では、家族構成の変化や仕事の関係など、住宅や環境以外の理由があげられている。

売却理由

④新築当初分譲価格からの価格の増減
  中古物件としての成約価格が新築分譲当初の価格からどの程度増減しているかを分析した。
  増減率=(成約価格-新築当初分譲価格)÷新築当初分譲価格×100%
  一戸建の平均は、28.5%減。しかし物件ごとに見ると、6年で5割下落した物件もあれば、6年でわずかながらも上昇しているものも見られ、物件によって大きく異なっている。
マンションでは平均17.1%減。最も下落したものは築年数約4年で48%下落している。反対に、上昇した物件も4物件見られる。上昇物件は都心の好条件立地のものであり、立地特性が大きく影響していると考えられる。

新築当初分譲価格からの価格の増減

⑤ローン
  住宅ローンが利用されたのは、一戸建で39件中25件、マンションで8件中4件であった。利用されているのは公庫が多く、「公庫のみ」は一戸建では9件、マンションでは2件で、公庫とその他のローンとの併用が一戸建では5件、マンションでは1件である。

ローン


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(3)中古定期借地権付住宅を扱って感じたこと

今回調査対象となった中古定期借地権付住宅の流通に関して、担当者の所感として、「取引事例が少ないので査定で苦労した」、「購入者を探すのが大変」、「媒介手数料が低い」、「ローンの斡旋に苦労した」などの意見が多くあげられている。

一戸建では「法定の媒介手数料では低いと感じる」と「取引事例が少ないので査定で苦労した」が各67%と最も多くあげられている。次いで「購入希望者を探すのが大変であった」62%、「ローンの斡旋に苦労した」56%が上位にあげられている。

マンションでは「ローンの斡旋に苦労した」および、「取引事例が少ないので査定で苦労した」「購入希望者を探すのが大変であった」が上位にあげられている。


中古定期借地権付住宅を扱って感じたこと


(4)中古定期借地権付住宅に関する課題

①保証金
  今回調査の二次流通事例の多くは、当初保証金の額を流通時の譲渡対価としており、保証金を減額している事例も一部見受けられた。
多くの担当者は取引事例が少ないので査定で苦労しており、中古定期借地権付住宅の査定マニュアルを望む声が多かった。
②住宅ローン
  中古定期借地権付住宅の流通全般について意見を聞いたところ、「住宅ローンの充実が望まれる」をほとんどの回答者があげている。
なお、融資に必要な価格査定に関する報告書(「中古定期借地権付物件の価格査定手法に関する報告書」定期借地権普及促進協議会刊)が作成され、平成16年12月には、中古定期借地権付住宅について土地所有権付住宅並みの対応を図る金融機関が現れたところである。
③媒介業務および媒介報酬
  中古定期借地権付住宅の取り扱いについては、高度な知識と煩雑な手続きが必要であり、通常の土地の売買や建物の賃貸に比して、媒介報酬が割安と感じられている。
なお、不動産コンサルティング業務を行う場合には、その対価を媒介報酬とは別にコンサルティング業務報酬として受けることができるとされている(「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方について」平成13年1月6日国土交通省総合政策局不動産業課長通知)。

中古定期借地権付住宅に関する課題


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