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補償金仲裁制度Q&A

仲裁制度Q&A


Q 1 仲裁制度の趣旨

平成13年の土地収用法の改正で仲裁制度が創設されたのはなぜですか。

  1. 公共用地の取得場面において、交渉が難航する要因が対償(補償金等)であることが実態として多くみられるところです。しかしながら、対償について合意に達しないというのみで、事業認定申請、裁決申請、明渡申立という煩雑な手続を要する収用手続に入るのは当事者双方の手続負担が大きく、何らかの簡易な手続により紛争を処理することが望まれていました。
  2. 改正前の土地収用法においては、収用手続以外の紛争処理方法として、任意の買収交渉に係る紛争のあっせん手続のみがありました。しかしながら、あっせん制度は当事者の互譲に委ねられるという限界がありました。
  3. そのため、特に対償のみが交渉妥結の障害となっている場合には、収用委員である仲裁委員による仲裁を行えることとし、紛争の迅速かつ最終的な解決を図ることとしたものです。

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Q 2 仲裁申請

仲裁手続の申請は誰に対して行えばよいのですか。

仲裁の申請は、当該紛争に係る土地等が所在する都道府県の知事に対して行います。(土地収用法第15条の7第1項)

Q 3 仲裁申請の要件

仲裁を申請するための要件は何ですか。

  1. 関係当事者双方が、仲裁申請を望み、「対償」についてのみ合意に達していない場合で、金銭のみについて合意がない場合が典型的です。(土地収用法第15条の7第1項)
  2. なお、仲裁制度の仲裁対象となる「対償」とは、一般的に用いられている「補償」と同義と考えてよく、およそ土地収用法第6章第1節(収用又は使用に因る損失の補償)に定める事項と考えて差し支えありません。

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Q 4 仲裁申請書類

仲裁申請にあたって、どのような書類が必要になりますか。

  1. 仲裁の申請をしようとする関係当事者の双方が、共同して、仲裁申請書を作成し、正本1部及び写し1部を都道府県知事に提出することになります。
  2. また、仲裁合意について書面があるときは、仲裁申請書に当該書面又はその写しを添付しなければなりません。
  3. 仲裁申請書の記載内容は、下記のとおりです。(土地収用法施行令第1条の7の2)
    1. 申請者の氏名及び住所
    2. 申請の趣旨
    3. 事業の種類
    4. 紛争に係る土地等を特定するに足りる事項
    5. 前号の土地等の取得に関して関係当事者間において成立した合意(対償に関するものを除く)の内容
    6. 紛争に係る交渉経過の概要その他仲裁を行うに参考となる事項

Q 5 仲裁申請書の作成

仲裁申請書の作成について詳しく教えてください。

  1. 土地収用法施行令第1条の7の2において、仲裁申請書の記載事項が示されていますが、そのうち、同条第1項第4号、第5号及び第6号について、下記のとおり作成することが望ましいとされます。
    1. 「第4号 紛争に係る土地等を特定するに足りる事項」
      仲裁申請の対象物である土地等(土地、物件、権利等)を特定することになりますが、例えば、土地であれば、地番等により特定します。(いわゆる公図混乱地域等でそれが困難であれば、実測平面図等により特定)
      物件であれば、それが所在する地番等及び物件の種類等により特定します。
    2. 「第5号 前号の土地等の取得に関して関係当事者間において成立した合意(当該土地等の取得に際しての対償に関するものを除く。)の内容」
      例えば以下のものをさします。
      ①対象権利及び対象権利者の確定についての合意
      ②取得する土地の区域又は使用する土地の区域並びに使用の方法及び期間についての合意
      ③権利を取得し、又は消滅させる時期についての合意(仲裁の判断がなされた日から〇〇日後)
      ④土地若しくは物件の引渡し又は物件の移転の期限時期及び明渡時期についての合意(権利取得の時期から〇〇日後)
    3. 「第6号 紛争に係る交渉経過及びその他仲裁を行うに参考となる事項」
      ①交渉経過を説明する書面
      ②その他参考となるもの

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Q 6 仲裁申請の手続 :

仲裁申請の手続は、どのように行うのですか。

  1. 事業認定を受けた後、仲裁申請ができないということは、裁決手続と仲裁手続の二重手続を回避するためです。つまり、仲裁手続の実務上の取扱いは、裁決手続に準じて考えても差支えありません。
  2. 仲裁手続のながれは「仲裁制度手続フロー図」を参照してください。

Q 7 仲裁申請と事業認定

仲裁の申請がなされた後、事業認定の告示があった場合にはどのような取扱いとなるのですか。

  1. 土地収用法第15条の7第1項ただし書は、仲裁の申請の要件として事業認定の告示がされていないことを規定したものでありますから、当該申請後に事業認定の告示があっても、(あっせんと異なり)仲裁手続は続行されます。
    なお、仲裁の申請がされた権利に関しては、裁決申請ができないこと(土地収用法第15条の7第3項)として、仲裁手続と裁決手続の二重手続を回避することとされました。
  2. 仲裁は、当事者間で仲裁により解決することを合意し、それに基づき仲裁人により仲裁判断がなされれば、それは直ちに確定判決と同一の効力を持つ(土地収用法第15条の12において準用する仲裁法第45条(平成16年3月1日施行))ものでありますから、当事者間で仲裁合意をしたうえ、適法な仲裁の申請がされた場合には、収用手続より簡易な手続である仲裁手続に委ねることが合理的であります。ただし、事業認定を受けた後においてまで仲裁の申請を認めることは、土地調書などの作成手続などの裁決手続の事前手続と二重手続になる可能性があるため、これを許さないこととしたものです。

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Q 8 仲裁制度の対象

仲裁制度の対象となる紛争の範囲はどのようなものですか。

  1. 土地などの取得に際しての対償のみに関するものであること
    公共用地の取得場面において、交渉が難航する要因が対償であることが実態として多くみられるところです。このため、簡易な紛争処理制度として収用委員会の委員を仲裁人とする仲裁制度を土地収用法の制度として新設するものであり、仲裁人の能力を考慮し、確実に仲裁判断が行われるようにするため、土地などの取得に関連する事項のうち対償に関する紛争に限定することとされたものです。
  2. 当事者の双方から申請があること
    仲裁は、両当事者が第三者に紛争解決の判断を委ねることを合意する仲裁合意を前提とする(仲裁法第13条(平成16年3月1日施行))ものであり、申請者は両当事者とされたものです。
  3. 事業認定の告示(第26条第1項)がないこと
    本件仲裁制度は、事業認定を経ることなく簡易な紛争解決を図るものであることから、起業者が事業認定を受けた後においては、通常の裁決手続により仲裁の対象たる権利以外の権利と一括して処理すべきものとされたものです。
    なお、仲裁申請がなされた後において、当該仲裁申請に係る権利のある土地又は物件に関する他の権利について収用するため事業認定を受け、裁決申請をすることを妨げるものではありません。

Q 9 あっせんと仲裁

あっせん制度と仲裁制度はどう違うのですか。

  1. あっせん
    (1) 対象
    あっせんの対象となるのは土地などの取得に関連する事項であればよく、事業計画に関する紛争又は対償に関する紛争にとどまらず、境界紛争や権利の存否の争いなどの、取得する土地をめぐる紛争などにも及びます。また、あっせんの申請は一方当事者からでも可能です。
    (2) 効果
    あっせんは、あっせん委員が当事者間の調整を行い、両当事者の合意を促すものです。両当事者間で合意が成立すれば、当事者間で契約の効果が生じます。
    あっせんは当事者の合意が得られなければ成立しないという限界があります。
  2. 仲裁
    (1) 対象
    仲裁の対象としては、収用裁決手続との調整を図る必要があるために、土地などの取得に関連する事項のうち対償に関する紛争に限ることとしました。また、仲裁は両当事者の仲裁に付する旨の合意を前提とするため、両当事者からの申請を必要とするものです。
    (2) 効果
    仲裁判断は確定判決と同等の効力を有するものです。(土地収用法第15条の12において準用する仲裁法第45条(平成16年3月1日施行)。したがって、紛争の終局的解決が可能です。
  • 仲裁法(平成15年法律第138号)(平成16年3月1日施行)
    第45条第1項 仲裁判断(仲裁地が日本国内にあるかどうかを問わない。以下この章において同じ。)は、確定判決と同一の効力を有する。ただし、 当該仲裁判断に基づく民事執行をするには、次条の規定による執行決定がなされなければならない。

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Q 10 和解と仲裁

解と仲裁はどう違うのですか。

  1. 和解(土地収用法第50条)は、収用委員会の審理手続に移行してからの手続であり、和解によって作成された和解調書は、収用裁決とみなされます。したがって、和解調書の記載内容が履行されない場合には、代行又は代執行(土地収用法第102条の2)により実現されることとなります。
  2. 仲裁判断がなされることにより成立するのは私法上の売買契約であり、仲裁判断は確定判決と同等の効力をもちます。したがって、仲裁判断の内容が履行されない場合は、民事執行手続により実現されることとなります。
    なお、収用裁決手続と仲裁手続が平行して行われないように、仲裁に付された土地などについては収用裁決申請が制限されます。

Q 11 仲裁委員

仲裁委員を収用委員会の委員の中から任命するのはなぜですか。

  1. 仲裁の対象としては、収用裁決手続との調整を図る必要があるために、土地などの取得に関連する事項のうち対償に関する紛争に限ることとされています(土地収用法第15条の7第1項)。
  2. そこで、収用委員会における職務を通じて補償金額の算出について専門性かつ公平性を有した判断を適正に行う能力を有する収用委員を仲裁委員としたものです(土地収用法第15条の8)。

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Q 12 仲裁判断の基準

仲裁委員が土地価格を判断するに当たっては、何を基準とするのですか。

  1. 仲裁委員の判断基準は、当然には土地収用法第6章によるものではなく、仲裁に付する当事者双方の合意の内容及び仲裁委員自身の判断によることとなります。また、最終的な仲裁の意思決定は仲裁委員が行います。
  2. しかしながら、仲裁委員は収用委員会の委員から構成されるものですから、実際には収用委員会による収用裁決と同様、土地収用法第71条に規定するように近傍類地の取引価格などを考慮することとなると思われます。

Q 13 仲裁制度における当事者主義の適用について

仲裁制度においては、土地収用法第48条第3項(収用委員会は、損失の補償については、起業者、土地所有者、関係人及び準関係人が申し立てた範囲を超えて裁決してはならないとするもの。当事者主義という。)のような規定が置かれていません。当事者主義を採用する場合、その法的根拠はどこに求めればよいのですか。
また、当事者主義を適用する旨の仲裁合意を事前に締結しておくことで、仲裁判断に当事者主義を適用する根拠とできるのですか。

仲裁委員は、仲裁に関する規定を除き、土地収用法に拘束されないため、当事者主義を採用する直接的な法令上の根拠は存在しません。ただし、仲裁は行政処分ではなく民事のものですから、結果として(収用委員会よりも)当事者主義がより妥当するものであると考えます。
したがって、仲裁委員は正当な補償額を踏まえつつ実務上は当該者の主張のなかで価格を決定していくことになると考えます。
なお、当該者主義を適用する旨の仲裁合意を事前に締結していれば、当然に当該合意を根拠として、仲裁判断において当事者主義を適用できます。

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Q 14 鑑定の申し出がない場合の仲裁判断について

土地収用法第125条の2の規定により、仲裁制度における鑑定費用については、当該申し出をした者の負担となっています。
しかし、土地所有者等が高額な費用を負担してまで鑑定を申し出ることは考えにくく、起業者も、買い取り価格を提示するため、鑑定業者による鑑定又は起業者自身の基準による見積もりを行っている場合が多く、新たに鑑定を申し出ることは少ないと思われます。このように、当事者双方から鑑定の申し出がない場合、仲裁委員は何を根拠として仲裁判断を行うべきですか。

仲裁委員の判断基準は、当然には土地収用法第6章(損失の補償)に拠るものではなく、仲裁に付する当事者双方の合意の内容及び仲裁委員自身の判断によることとなります。
しかしながら、仲裁委員は収用委員会の委員から構成され、実際には収用委員会による収用裁決と同様、土地収用法第71条に規定するように近傍類地の取引価格などを考慮することとなると考えます。
なお、土地収用法第125条の2の規定は、関係当事者間における最終的な負担についてまで定めたものではなく、仲裁機関たる仲裁委員と関係当事者との間の費用負担について定めたものであり、関係当時者間で別に負担すべき者を定めることは禁じられていません。ただし、その関係当事者間の定めは、仲裁機関たる仲裁委員を拘束しないので、仲裁委員はあくまで申し出をした者に負担を求めることとなり、事後に関係当事者間で求償することとなります。

Q 15 仲裁申請の要件となる、申請に係る土地収用法第3条該当性を判断するための基準について

仲裁申請を受理するには、土地収用法第15条の7第1項において準用する同法第15条の2第1項本文より、申請に係る事業が同法第3条各号のいずれかに該当していなければなりませんが、この場合の同法第3条該当性の審査は、どのように行えばよいのですか。
また、現在法令等の基準はありませんが、この場合の土地収用法第3条該当性についての審査は、どのように行えばよいのですか。
さらに、現在法令等の基準はありませんが、その審査のための添付書類等について、どのようなものを求めるべきですか。

仲裁申請に係る事業が、土地収用法第3条各号のいずれかに該当するかにつき疑義があり、当該申請を適法なものとして受け付けるべきか、当該申請を不適法なものとして却下すべきかにつき知事部局において判断できない場合は、法所管部局たる国土交通省総合政策局総務課土地収用管理室あて照会していただくことになるものと考えます。

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